2022 Fiscal Year Research-status Report
進行・再発食道がんに対する革新的個別化樹状細胞ワクチン療法の開発
Project/Area Number |
22K08785
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
高橋 慶太 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (70795096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 毅大 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (10899868)
村橋 睦了 (伊賀睦了) 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (20422420)
増田 隆洋 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (40649092)
藤崎 宗春 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (50597979)
秋元 俊亮 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (60838241)
西川 勝則 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (70246429) [Withdrawn]
矢野 文章 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (80318005)
谷島 雄一郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (80385335)
宇野 耕平 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (80899386)
坂下 裕紀 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (80911586)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 癌免疫細胞療法 / 樹状細胞ワクチン / ネオ抗原ペプチド / ELIspotアッセイ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、食道癌患者におけるネオ抗原ペプチドパルス樹状細胞ワクチンのin vitro 有効性試験を行い、臨床有用性を考察することである。 まず、食道癌患者の末梢血及び外科切除検体を用いてネオ抗原解析を行い、5種類のネオ抗原ペプチドを選定しペプチド合成を行った。続いて、同一患者の末梢血から単球を分離し、GM-CSF/IFN-α2b存在下で樹状細胞へと分化誘導後、合成したネオ抗原ペプチド5種類を負荷し、ネオ抗原ペプチドパルス樹状細胞ワクチンを得た。その後、得られた当該ワクチンのin vitro有効性試験を行うために、同ワクチンとCD8陽性T細胞を含む非単球細胞を数日間共培養し、ネオ抗原ペプチド特異的CD8陽性T細胞の誘導を行った後、同一ペプチドで再刺激し産生されるIL-2/IFN-γをELISpotアッセイによって測定した。なお、対照群として共培養していない非単球細胞を用いた。 当該年度は、計7例の患者登録を行った。そのうち2例は除外基準に抵触したため除外し、残り5例のうち1例は現在ネオ抗原解析中である。解析が終了した4例中2例において、対照群と比べて共培養群でIFN-γ/IL-2産生量は増加しており、有効性を確認することができた。しかし、残り2例のうち1例については、共培養群でのIL-2産生量の増加を認めたが、IFN-γ産生量は低下していたため、再度確認のため同一患者からネオ抗原ペプチドパルス樹状細胞を作製し再試験を行ったところ、再現性が確認でき前述の2例とは異なるデータが得られた。残りの1例は、共培養時の細胞増殖が不良でELISpotアッセイに必要な細胞数を確保することができなかったため、再試験を予定している。 これらの結果からネオ抗原ペプチドパルス樹状細胞ワクチンが食道癌患者におけるネオ抗原ペプチド特異的CD8陽性T細胞を誘導し、抗腫瘍効果に寄与する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の想定よりも患者登録が円滑に進み、計7例の患者登録を行った。そのため、ネオ抗原解析やペプチド合成、樹状細胞ワクチン作製を優先して研究を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度は計7例の患者登録を行ったが、本研究では5例分のin vitro有効性データの収集を目標としているため、今後は新規登録を行わず評価不能の患者に対する再試験等を行いデータ収集に努める。本試験に必要な細胞数を確保できなかった患者も2例いたため、上述の通りこれらの患者に対しては再試験を行う予定である。また、当初はネオ抗原特異的CD8陽性T細胞の誘導効率を評価するためにテトラマーアッセイの実施を予定していたが、試験に必要な細胞数を確保できない可能性が高いため、充分な細胞数が確保できた場合に限り実施することとし、ELISpotアッセイの完遂に努める予定である。
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Causes of Carryover |
本年度では、当初想定していたより多くの患者登録ができたため、研究計画の前倒しを行うこととなった。したがって、次年度行う予定であった解析を本年度中に行う方針としたため、予算の不足が生じ次年度の予算を前倒しで使用した。 本年度では、樹状細胞ワクチンの製造とELISpotアッセイを優先して施行ししたため、当初行う予定であったテトラマーアッセイが施行できなかったことから、研究費合計として次年度使用額が発生した。
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