2022 Fiscal Year Research-status Report
ヒトiPS細胞肝芽移植による肝臓再構築に向けた細胞操作技術の開発
Project/Area Number |
22K08807
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
前田 拓志 横浜市立大学, 医学研究科, 特任助教 (40420822)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 康晴 東京大学, 医科学研究所, 特任助教 (60375235)
谷口 英樹 東京大学, 医科学研究所, 教授 (70292555)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 肝臓オルガノイド / 移植 / 組織再構成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、肝臓に肝細胞・肝臓オルガノイドを移植し、ホスト肝臓内での生着・組織置換を誘導するための手法の開発に向け、これらの細胞を肝臓内に移植した際の組織再構築過程の解明を目的としている。 本研究を進める上では、ホスト肝臓において、肝細胞や肝臓オルガノイド等の生着・組織再構成に適した微小環境を整える必要があり、肝障害動物モデルの利用が必要不可欠となる。そのため、本年度は、移植細胞による組織再構成に有益な肝障害動物モデルの選定を進めた。独自に確立した免疫不全を背景に持つ高チロシン血症モデルラットを用い、このラットの生存を確保しながら、肝障害を付与するための条件を検討し、生存を確保しながら肝障害を誘導する条件を明らかにした。 次いで、この肝障害モデルラットの肝臓において、肝細胞の増殖・組織構築のための微小環境が構築されているか否かについて検討するため、野生型ラットの肝細胞を移植し、生着および組織構築を評価した。その結果、この肝障害モデルラットの肝臓に成体肝細胞を移植すると、肝臓内に生着し、部分的に組織置換が生じることを確認した。以上より、肝臓内への細胞・オルガノイド移植に関する実験系を確立し、組織再構成プロセスの解明の為の研究基盤を構築した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、研究初年度であったが、我々が開発した様々な研究シーズ(免疫不全肝障害モデルラット、門脈移植プロトコル)等を活用することにより、順調に研究を推進することが出来た。本研究では、肝障害モデル動物の肝臓内に、肝細胞等を移植し、移植後の組織再構築過程を観察する計画である。本年度において、肝障害モデルラットの作出条件を確認し、移植評価系を構築することが出来た。これにより、次年度以降の研究を予程通りに進めることが可能となった。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き、肝障害動物モデルの作製条件、および、移植プロトコルについての最適化を進め、組織再構築の最大化を図る。また、移植した細胞の組織置換プロセスの可視化に向け、発光レポーター等をするiPS細胞の樹立・特性解析等を進める。
|
Causes of Carryover |
本年度の研究を効率良く進めることが出来、実験動物の購入について当初計画よりも低予算で賄うことが出来た。そのため、本年度の実験動物の購入費を次年度の消耗品購入に充て、研究を加速させることとした。
|