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2022 Fiscal Year Research-status Report

Combination of HSP90 inhibitor and TKI for advanced GIST

Research Project

Project/Area Number 22K08822
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

高橋 剛  大阪大学, 大学院医学系研究科, 講師 (50452389)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 黒川 幸典  大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (10470197)
西田 俊朗  国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 創薬デザイン研究センター, 客員研究員 (40263264)
田中 晃司  大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (70621019)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
KeywordsGIST / Pimitespib / Heat shock protein 90 / 血管新生阻害
Outline of Annual Research Achievements

再発消化管間葉系肉腫(GIST)に対してKIT分子を標的としたチロシンキナーゼ阻害剤が開発され、無増悪生存率は劇的に延長した。しかし、長期間の治療過程で生じる二次遺伝子変異耐性が治療継続を困難にすることが報告されている。Heat Shock Protein90(HSP90)は、細胞内分子を正しい高次構造に保ち適時適所で働かせる役割を担うシャペロン分子である。その阻害剤はKITの三次元構築を抑制することにより、GISTに対して増殖抑制効果を有する。本研究では、新規HSP90阻害剤であるPimitespib(PIMI)が忍容性をもって治療効果を示し、臨床応用された一方で奏効率は低く、既存のチロシンキナーゼ阻害剤との併用効果による治療効果の上昇の可能性を明らかにすることを目的とした。
令和4年度は、in vitroの条件下において、KITの生成、翻訳後修飾過程のどの局面においてHSP90が働いているか、またPIMIの働きについて検討を行った。その結果、細胞内蛍光免疫染色検査の結果、糖鎖切断の検討からトランスゴルジ体でのKITの低下を生じていることを確認した。また、マルチキナーゼ阻害剤であるスニチニブとの併用により、スニチニブ感受性株では相乗効果、スニチニブ不応株では相加効果を示すことを確認した。さらに、KITシグナル下流の分子の強い抑制効果を確認した。また、令和5年度実施予定であった動物移植マウスモデルに対しても実施し、スニチニブ、ピミテスピブそれぞれの単独治療に比べて併用治療の有効性を確認した。またマウスの投与安全性を確認した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

令和4年度は、in vitro下に本薬剤であるPIMIとともにマルチキナーゼ阻害剤であるスニチニブを我々が保有する各種のGIST細胞株に対して投与し、増殖アッセイを実施した。特にイマチニブ耐性細胞株については、スニチニブ感受性株では相乗効果を、スニチニブ不応性株では相加効果を示すことを確認した。さらにGISTの病因とされるKIT分子ならびにその下流のシグナルの活性化の消失を確認した。また、KITシグナルによる抗アポトーシス作用の減弱に伴いアポトーシスの誘導を確認した。
さらにKITの生成、翻訳後修飾過程のどの局面においてHSP90が働いているか、またPIMIの働きについて検討を行った。その結果、細胞内蛍光免疫染色では、PIMI投与によるtrans-ゴルジKITの消失を確認、さらにその効果はスニチニブとの併用治療により増強されることを確認した。また、糖鎖切断の検討からトランスゴルジ体でのKITの低下を生じていることを確認した。
動物腫瘍移植モデルマウスについては、当初令和5年度の確立の予定であったが、研究の進行のため、GIST細胞株を皮下に移植し、その生着を確認し薬剤の投与実験を行いえた。併用療法を実施したマウスの体重減少ではその他の群と差がなく安全性の確認を行いえた。さらに併用療法群で有意な腫瘍増殖抑制効果を確認し、有効な治療法であることが示唆された。
それぞれの進行においては、当初の研究計画に従って実験を遂行することができ、また予定以上の進行であると考える。

Strategy for Future Research Activity

令和5年度以降、令和4年度の成果として、PIMIのtrans-ゴルジKITに対する効果を確認したがKITのゴルジ活性化の詳細メカニズムは不明であり、ゴルジ活性化に関する新しい知見について本薬剤との関連で明らかにする予定である。
動物移植モデルマウスについては、摘出標本を用いてKITの発現状態、tunel染色を用いたアポトーシスの状況など研究計画書に従って本治療の有効性を明らかにする方針である。
また、HSP90のクライアント分子は、KIT以外にも多く存在することが知られている。GISTにおいて有効な薬剤とされるスニチニブは、マルチキナーゼ阻害剤であり、KIT以外にもVEGFRを介する血管新生阻害の効果による抗腫瘍効果の報告が数多く存在し、GISTの抑制メカニズムとして働くことが報告されている。PIMIの作用効果として、HIF-1やPKD2といったVEGFの発現制御に関連する分子もあり、血管新生によるGISTの増殖抑制効果についても今後明らかにしていく方針である。

Causes of Carryover

令和4年度は、主にin vitroの解析を実施したが、研究の進行がえられ、in vivo研究の準備を令和5年度に回すこととしたため、令和4年度使用予定の研究物品費が令和5年度使用する方針としたため。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] GISTに対する新規HSP90阻害薬TAS-116とマルチチロシンキナーゼの併用効果に関する検討2022

    • Author(s)
      高橋剛, 寺西立冴,小幡裕希, 大久保秀一, 数野裕美,西田俊朗, 斎藤百合奈, 山下公太郎, 西塔拓郎, 田中晃司, 山本和義, 牧野知紀, 黒川幸典, 中島清一, 江口英利, 土岐祐一郎
    • Organizer
      第31回 日本がん転移学会学術集会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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