2022 Fiscal Year Research-status Report
ICG蛍光法に代わる精密かつ確実な腸管血流評価システムの構築
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22K08831
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
木村 昌弘 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (50336682)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 幸志朗 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (30444988)
中屋 誠一 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (50811725)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | サーモグラフィー / ICG蛍光法 / Narrow band imaging |
Outline of Annual Research Achievements |
新規血流評価法としてNarrow band imaging(NBI)の画像強調技術および超高性能/解像度サーモグラフィーを血流評価に臨床応用すべく本研究を遂行することとした。ICG法の問題点を払拭し、より精度の高い客観的な血流評価を反復施行可能なシステムを構築することで、血流障害に起因する縫合不全を予防するためである。サーモグラフィー本体(FLIR T530)および解析ソフト(ResearchIRmax)を購入し、食用ブタの腸管を用い基礎的研究を行った。この研究により、本研究の有用性を確認でき、臨床応用が安全に施行できることがわかった。また、この基礎的研究に関しては、2022年7月の日本消化器外科学会総会において発表した。 また、本研究を実臨床において遂行するに際し、本学の倫理委員会においてサーモグラフィーによる腸管表面温度の撮影および解析の承認を得た。(管理番号60-22-0090) これ以降、実臨床において胃、小腸および大腸の表面温度の撮影および解析を約70症例に行ってきた。同時にICG検査を行い、これにより決定された虚血/非虚血ラインの境界と、サーモグラフィーによる解析を比較検証した。術式および使用した内視鏡により行えなかった症例もあったが、7割程度の症例においてNBI法による観察をおこなった。 手術室の環境(室温、湿度)あるいは患者体温、腸管が創外んいさらされてから撮影が開始されるまでの時間などにより、非虚血/虚血領域の同定が困難となることもあり、現在、この改良を模索中である。 腸管の加温装置として、人工心肺用温度コントロールユニットをベースとした、還流装置を自作する予定であり、試作品を作成した。 還流温度に関して、現在まで行ってきたサーモグラフィー画像の解析から35度前後が最適だと考え、その温度調整を行える加温装置の作成に入った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サーモグラフィー・ICG蛍光法・NBIによる観察および撮影、解析については症例数を含め順調に進んでいる。 一方で、術野における腸管の加温装置については、その必要性の有無を含め現在検討中である。 加温による人体への影響も軽視できないこと、加温を行わなくても観察および解析が可能であるのではないかと現在考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
症例数は順調に増えており、ICG蛍光法との相関も明らかにすることが可能となってきている。しかし、手術の手順により、腸管の全体的な温度が低下してしまった場合の対策について現在検討をしている。 現在までに、症例報告および基礎的研究内容は学会にて発表した。7月には全国学会において、現在までの研究内容の一部を発表予定である。
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Causes of Carryover |
研究の初年度に設計および作成予定であった加温装置ですが、試作品の段階であり、制作は次年度早々となりました。この装置は、今後研究を遂行するためにも必要であり、この次年度使用額で補填したいと考えています。
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Research Products
(2 results)