2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of novel hypotonic intraperitoneal chemotherapy based on the expression level of SLCO2A1 in gastric cancer
Project/Area Number |
22K08832
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
小菅 敏幸 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (00457946)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大辻 英吾 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20244600)
塩崎 敦 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40568086)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 胃癌 / SLCO2A1 / 調節性容積減少 / 腹腔内化学療法 / 腹膜播種 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず免疫組織染色によりヒト胃癌組織におけるSLCO2A1蛋白発現を確認することができた。一方、ヒト食道扁平上皮癌組織ではSLCO2A1蛋白発現を確認することはできなかった。ヒト胃癌細胞株におけるSLCO2A1発現をウエスタンブロット法で確認したところ、MKN7、MKN45、MKN74、NUGC4、HGC27細胞株におけるSLCO2A1蛋白発現を認めた。同様にヒト食道扁平上皮癌細胞株(TE8、KYSE70、KYSE790など)においてもSLCO2A1発現が確認できた。SLCO2A1高発現胃癌細胞株(MKN7、MKN45)にSLCO2A1-siRNAをトランスフェクションし、SLCO2A1発現を制御して機能解析を行ったところ、細胞増殖能の低下、細胞周期の停止、アポトーシスの増強を認めた。SLCO2A1高発現株であるMKN45において、低浸透圧刺激時の調節性容積減少(RVD)を含む経時的細胞容積変化を確認した。また、MKN45において低浸透圧刺激によりパクリタキセル(PTX)の細胞内取り込みが亢進すること、Cl-輸送阻害薬であるNPPBを使用するとRVD抑制とともに細胞内PTX取り込みが増強されることを確認した。一方、SLCO2A1発現株であるMKN74、NUGC4において、非浸透圧刺激時ではあるものの、NPPB使用により細胞内PTX取り込みが増強されることを確認した。SLCO2A1高発現株であるMKN45において、Maxi-Cl阻害薬であるGd3+を用いて低浸透圧刺激時の細胞容積変化を解析したが、Gd3+併用によるRVD抑制効果は確認できなかった。現在、SLCO2A1発現を調節した際の低浸透圧刺激下での細胞内PTX取り込み・細胞容積変化についての解析を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画のとおり、ヒト胃癌組織・細胞株におけるSLCO2A1発現の確認とSLCO2A1発現レベル調節に基づく細胞機能解析が進んでいる。低浸透圧刺激による細胞容積変化やPTX取り込みの変化の解析も開始できている。すでに、次年度に計画していた研究も進行中であり、研究計画は順調に進展していると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究の根幹にかかわるヒト胃癌組織・細胞株におけるSLCO2A1発現を確認できているため、大きく方針を転換することなく当初の研究計画に従い実験を進めていく。SLCO2A1発現レベル調節に基づく細胞機能解析も順調に進んでおり、今後はSLCO2A1発現を制御した際の遺伝子発現変化の網羅的解析を進め、特記すべき重要な遺伝子変化やpathwayについては適宜validationを行っていく。また、SLCO2A1発現を調節した際の低浸透圧刺激下での細胞内PTX取り込み・細胞容積変化についての解析も進めていく。
|
Research Products
(11 results)
-
-
-
-
[Presentation] 大腸癌幹細胞の低浸透圧ショックへの抵抗性2022
Author(s)
加藤 俊治, 塩崎 敦, 工藤 道弘, 清水 浩紀, 小菅 敏幸, 木内 純, 大橋 拓馬, 有田 智洋, 山本 有佑, 小西 博貴, 森村 玲, 栗生 宜明, 生駒 久視, 窪田 健, 藤原 斉, 岡本 和真, 大辻 英吾
Organizer
第122回日本外科学会定期学術集会
-
-
-
[Presentation] トラニラストとフロセミドの食道腺癌幹細胞に対する癌抑制効果の検討(Tranilast and forosemide suppressed the growth of cancer stem cells in esophageal adenocarcinoma)2022
Author(s)
井上 博之, 塩崎 敦, 小菅 敏幸, 清水 浩紀, 工藤 道弘, 大橋 拓馬, 有田 智洋, 山本 有祐, 小西 博貴, 森村 玲, 栗生 宜明, 生駒 久視, 窪田 健, 藤原 斉, 大辻 英吾
Organizer
第81回日本癌学会総会
-
[Presentation] 食道扁平上皮癌におけるNADPH oxidase 2の役割(The role of NADPH oxidase 2 in tumor progression of esophageal squamous cell carcinoma)2022
Author(s)
清水 浩紀, 塩崎 敦, 葛原 啓太, 井上 博之, 小菅 敏幸, 工藤 道弘, 有田 智洋, 小西 博貴, 小松 周平, 藤原 斉, 大辻 英吾
Organizer
第81回日本癌学会総会
-
[Presentation] 胃癌におけるCACNA2D1の機能解析と臨床的意義(The function analysis and clinical significance of CACNA2D1 in human gastric cancer)2022
Author(s)
中道 脩介, 塩崎 敦, 井上 博之, 小菅 敏幸, 清水 浩紀, 工藤 道弘, 大橋 拓馬, 有田 智洋, 山本 有祐, 小西 博貴, 栗生 宜明, 生駒 久視, 窪田 健, 藤原 斉, 大辻 英吾
Organizer
第81回日本癌学会総会
-
[Presentation] 電位依存性カルシウムチャネル阻害剤 アムロジピンによる肝細胞癌幹細胞抑制効果(Amlodipine, voltage-gated Ca2+ channel inhibitor, suppressed the growth of cancer stem cells in hepatocellular carcinoma)2022
Author(s)
塩崎 敦, 倉島 研人, 工藤 道弘, 清水 浩紀, 小菅 敏幸, 大橋 拓馬, 有田 智洋, 山本 有祐, 小西 博貴, 森村 玲, 栗生 宜明, 生駒 久視, 窪田 健, 藤原 斉, 大辻 英吾
Organizer
第81回日本癌学会総会
-
[Presentation] 胃癌におけるSLCO2A1の発現と意義について(The role of SLCO2A1 in human gastric cancer)2022
Author(s)
中村 慶, 塩崎 敦, 小菅 敏幸, 工藤 道弘, 清水 浩紀, 木内 純, 大橋 拓馬, 有田 智洋, 山本 有祐, 小西 博貴, 森村 玲, 栗生 宜明, 生駒 久視, 窪田 健, 藤原 斉, 岡本 和真, 大辻 英吾
Organizer
第94回日本胃癌学会総会