2022 Fiscal Year Research-status Report
微小管ダイナミクスに着目した食道癌の新規治療法開発
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22K08848
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
藤原 義之 鳥取大学, 医学部, 教授 (40314330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宍戸 裕二 鳥取大学, 医学部附属病院, 助教 (00812702)
宮谷 幸造 鳥取大学, 医学部附属病院, 助教 (30758173)
松永 知之 鳥取大学, 医学部, 助教 (40743274)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 食道がん / 新規抗がん剤 / 微小管 / 光線力学的治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
新規化合物Tau由来ペプチド(以下TP)、およびTPに光反応基であるジアリン構造を結合させたTP(以下DA-TP)を用い、食道がん細胞株KYSE-30、KYSE-510、TE-4,TE-8の増殖抑制実験を行った。DA-TPを0, 0.1, 1, 5, 10, 20μMと加えていくと食道がん細胞は容量依存的に増殖が抑制された。さらにこの増殖抑制効果は紫外線照射により増強された。この効果は紫外線照射による微小管とDA-TPとの共有結合により微小管重合の安定化によるものと考えられた。このUVによる微小管の安定化は、HepG2細胞を用いたin-vitro微小管染色により確認済みである。 現在、愛媛大学今村健志教授の研究グループとの共同研究にて、DA-TPと微小管との結合と微小管の形態変化を共焦点イメージングにて確認する作業を施行中である。 さらに、DA-TP投与による細胞周期の変化をフローサイトメトリーにて確認中であり微小管重合促進による細胞抑制効果であることを確認中である。 これらのin vitro実験を踏まえて、食道がん細胞皮下xenograftモデルマウスを用いて、TP及びDA-TPの腹腔内投与、静脈内投与を行い、腫瘍の大きさ・重量を比較し治療効果と安全性を検証する。さらに紫外線照射を追加することによる抗腫瘍効果の増強効果を確認する。 これらの実験により、食道がんの新たな治療戦略として、DA-TPによる微小管重合促進による抗腫瘍効果とさらに紫外線照射併用による増強効果、が選択肢の一つとなることが発信できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1,細胞増殖・浸潤能実験 及び チューブリン重合実験は終了した。2,細胞染色実験は、現在条件設定を行っている。TPによる微小管の形態変化を確認する。3,電子顕微鏡による微小管の形態変化の確認は今後行う。4,フローサイトメトリーを用いた細胞周期の検証は、現在進行中である。 以上のことを令和5年度中に終了し、以下の動物実験に移行する予定である。 5,動物実験:抗腫瘍効果と安全性を検証するために令和5年度後半から開始する。食道がん細胞株をヌードマウス皮下に接種し、xenograftモデルを作製し、TP群、DA-TP群、紫外線照射群とコントロール群で、腫瘍増殖スピード、血液検査、体重変化などを測定し、有効性と安全性を検証する予定である。 6,以上の細胞実験、動物実験より、この新規化合物が、食道がんに対し抗腫瘍効果を示すとともに新たな光線力学的治療の可能性も示唆することが可能になると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究内容は、細胞内の化合物と微小管の結合を共焦点顕微鏡で明らかにし、微小管の形態変化も観察する。そして、動物実験での抗腫瘍効果、紫外線照射による効果増強効果、安全性を確認して研究を一段落する予定である。
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Causes of Carryover |
初年度は条件設定などで、予算は抑えられたが、次年度以降動物実験などで使用予定である。
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