2022 Fiscal Year Research-status Report
CA9を標的とした膵癌の予後予測と個別化新規治療戦略の開発
Project/Area Number |
22K08854
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
寺井 太一 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (90896713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西和田 敏 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (80745795)
長井 美奈子 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (80646092)
中川 顕志 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (30812341)
庄 雅之 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (50364063)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 膵癌 / 低酸素環境 / 化学放射線治療 / Carbonic Anhydrase 9 |
Outline of Annual Research Achievements |
低酸素環境は腫瘍の悪性化に関わり,有望な環境標的治療の対象となりうる.Carbonic Anhydrase 9(CA9)は低酸素環境で癌細胞に発現する膜貫通蛋白であり,固形癌において腫瘍の局所進展や転移に関わっていると報告されているが化学放射線治療との関連について報告されていない.今回我々は膵癌においてCA9と化学放射線治療に着目し,統合的を行った. In vitro実験としてBxPC-3細胞株,Panc-1細胞株を用いて,低酸素培養(1%02),放射線照射(2Gy×5day),放射線照射+ゲムシタビン(0.1nM)投与を行い,CA9の発現をRT-PCR,FACSで比較し,さらにSiRNAを用いてCA9を阻害し,増殖アッセイを行った. 低酸素培養を行うとCA9の発現は有意に上昇したが,BxPC-3,Panc-1共に放射線照射,放射線照射+ゲムシタビン投与でCA9の発現はRNA,タンパク質共に低下していた.増殖アッセイでは放射線照射,CA9阻害,CA9阻害+放射線照射,CA9阻害+放射線照射+ゲムシタビンに差は認めず,治療を何も加えていないNaiveなものが有意に細胞増殖を認めた.また,Apoptosis解析においてCA9発現が各種の治療におけるApoptpsis促進性に関与していることがわかった. 化学放射線治療により,CA9が低下することが,膵癌患者の予後延長に寄与している可能性があり,治療選択に応用できる可能性があると考えるがさらなる検証を行うため,今後Liquid biopsyやIn vivo実験を行い,CA9の機能解析や測定の臨床での意義をさらに検証していく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
膵癌細胞株を用いたin vitro実験により,腫瘍増殖,進展に関わる機序の解析,化学放射線治療の影響の解明を行ってきており,概ね順調に進展していると考えるため.
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Strategy for Future Research Activity |
上述の研究実績が得られており,概ね課題は順調に進展している. 予定通り,本年度は臨床採血検体を用いたCA9のELISA法での評価や,FNA検体における発現と予後との関連を検証し,臨床への応用を目指した研究を行う.
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Research Products
(1 results)