2022 Fiscal Year Research-status Report
放射線画像・遺伝子解析を統合した食道癌術前治療後の癌遺残形式予測モデルの開発
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22K08866
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
宗岡 悠介 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (00769391)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若井 俊文 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50372470)
羽入 隆晃 新潟大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (50719705)
市川 寛 新潟大学, 医歯学系, 助教 (50721875)
石川 卓 新潟大学, 医歯学総合病院, 准教授 (70586940)
臼井 賢司 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (70769413)
小杉 伸一 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任教授 (90401736)
加納 陽介 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (90745580)
島田 能史 新潟大学, 医歯学系, 講師 (20706460)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 食道癌 / 術前化学療法 / 癌遺残形式 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、食道癌に対する強力な術前治療の開発により、病理学的完全奏効や食道壁の表層に少量の腫瘍が遺残する、術前治療奏効例を経験する機会が増加している。食道癌手術は侵襲が高く、患者のQOLを著しく低下させるため、術前治療奏効例に対しては、食道切除を回避し厳重な経過観察を行う”Active surveillance”が、術前治療強化の先にある新しい治療戦略として期待される。Active surveillanceの実現のためには、術前治療後の癌遺残を正確に予測することが重要となる。 本研究の目的は、「CT画像特徴量と遺伝子プロファイルを軸とした、食道癌術前治療後の癌遺残形式予測モデルを開発すること」である。 本年度は、主に下記の2点について研究を実施した。(1)食道癌術前治療及び手術治療実施後の病理組織標本を用いて、原発巣の癌遺残形式をpCR・表層遺残・深層遺残・全層遺残の4つのタイプに分類した。(2)食道癌術前治療前後のCT画像特徴量を測定し、pCR/表層遺残に関連する特徴量を探索した。 原発巣の癌遺残形式に関し、深層遺残の症例はほとんど認められず、食道癌術前治療後の原発巣の癌遺残の有無は、表層(粘膜層)の癌細胞の有無から判定し得ることが示唆された。CT画像特徴量に関しては、胸部食道の部位によって、正常食道のCT画像特徴量が大きく異なり、様々な局在の食道癌を含む本研究の対象では、癌遺残形式に関連するCT画像特徴量の同定は難しいことが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上述の如く、CT画像特徴量を用いた癌遺残形式予測が困難であることが判明し、アウトカムの再設定が必要となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点では、術前の臨床因子とランダムフォレストの解析手法を用いての癌遺残形式予測を計画している。 また、胸部食道癌手術症例の術前治療開始前後の癌部の組織採取を前向きにおこなっており、これを用いた遺伝子解析結果を踏まえての、術前治療効果予測の検討を行いたいと考えている。
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Causes of Carryover |
現地参加の学会が少なかったこと、遺伝子解析の進捗が遅れていることから、若干の次年度使用額が生じた。 次年度は術前治療開始前後の癌部生検検体の遺伝子解析、学術集会への参加費、学術論文の投稿費用、研究補助の人件費等に充当する予定である。
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Research Products
(1 results)