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2022 Fiscal Year Research-status Report

膵液瘻予防を目的とした閉鎖陰圧療法の開発

Research Project

Project/Area Number 22K08888
Research InstitutionUniversity of Tsukuba

Principal Investigator

久倉 勝治  筑波大学, 医学医療系, 准教授 (60550168)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 小田 竜也  筑波大学, 医学医療系, 教授 (20282353)
橋本 真治  筑波大学, 医学医療系, 准教授 (60624666)
下村 治  筑波大学, 医学医療系, 講師 (60808070)
宮崎 貴寛  筑波大学, 附属病院, 病院講師 (90909433)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2027-03-31
Keywords膵液瘻予防
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、膵切除術における膵液瘻の発症を予防する方策として、近年注目されている閉鎖陰圧療法による創傷治癒促進効果を応用することで、膵液瘻を制御することである。まずは臨床に即した膵液瘻のモデルを作成することから着手した。
大前提として、臨床と同様にブタに対する全身麻酔による開腹手術とその術後管理を試みた。過去にも肝切除や膵腎手術などでの経験があることから同手技はすぐに確立された。
次に、膵切除後の膵液瘻モデルの作成を試みることとなった。膵液瘻には、膵切離面からの膵液瘻と、膵腸吻合からの膵液瘻があり、臨床でより問題となる後者のモデル作成からとりかかった。まず、膵切除であるが、既報から膵の解剖は人と類似しており、臨床と同様に施行することができた。膵腸吻合は、ブタにおいて膵管粘膜と腸管とを吻合することは非常に困難であったが、通常の手技に従って細径の膵管にステントを留置した膵腸粘膜吻合を施行することができた。既報に従っての人工膵管を用いた膵腸吻合のような特殊な器具を用いる方法もあるが、膵の他の箇所に損傷を呈することから、膵液瘻を評価するモデルとしては不適切であると判断した。
術後、腹水中の膵液濃度を測定したが、上昇を認めなかった。ドレナージ法や検体採取法、膵液瘻が発症しなかった可能性などを挙げている。閉鎖陰圧療法の有効性を評価するには、対照群となる効率的な膵液瘻モデルの作成が必須であることから、今後は臨床に即した膵腸吻合の作成とそれによる膵液瘻モデルを作成する。また、併行して膵切離面からの膵液瘻モデル作成を行う。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

ブタ全身麻酔による開腹手術を4頭に施行した。長時間の全身麻酔による開腹手術を施行することが可能であり、その後、麻酔から覚醒し生存させることが可能であった。
本年度でブタ膵液瘻モデルを作成し、陰圧閉鎖療法を開始しデータを収集する予定であり、まず、ブタ膵液瘻を発症させるためのモデル作成として、ブタ膵腸吻合を作成した。しかしながら、ブタ膵腸吻合からの膵液の漏出がなく、膵液瘻を発症させることができていない。背景には、ブタと臨床(人)における創傷治癒能力の差があることが示唆される。膵液瘻モデルが作成できておらず、陰圧閉鎖療法の効果が評価できない状態である。

Strategy for Future Research Activity

膵腸吻合における膵液瘻を意図的に作成するには困難であることが判明した。すなわち、膵液瘻は臨床では回避するべく処置を行っているためである
今後は、臨床に即した膵液瘻の作成を試みる予定である。具体的には、膵腸吻合部の縫合を意図的に減少させたモデルや、吻合部に意図的に損傷を加えたモデルを作成する予定である。
また、今回はより臨床で問題となる膵腸吻合の膵液瘻モデル作成から着手したが、膵切離面からの膵液瘻モデルにも着手する予定としている。同モデルは以前にラットでの研究の実績があり期待される。

Causes of Carryover

膵腸吻合における膵液瘻を意図的に作成するには困難であることが判明した。
今回はより臨床で問題となる膵腸吻合の膵液瘻モデル作成から着手したが、モデル作成に難渋、予定していた陰圧閉鎖療法の効果を測定するところまで施行できていない。したがって、予定していた動物実験が施行できておらず、それに伴う動物の購入や試薬、陰圧閉鎖システムなどの使用ができていない。
今後は、臨床に即した膵液瘻の作成を試みる予定である。膵切離面からの膵液瘻モデルにも着手する予定としている。同モデルは以前にラットでの研究の実績があり期待される。加えて、膵腸吻合部の縫合を意図的に減少させたモデルや、吻合部に意図的に損傷を加えたモデルを作成する予定である膵液瘻モデル作成を行い、本年度施行できなかった同モデルに対する陰圧閉鎖療法を施行した群と施行しなかった群との比較を次年度に持ち越して施行する予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2022

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] 膵腸吻合部に意図的内ドレナージ孔を作成する新規膵腸吻合法(IIDH法)の短期成績2022

    • Author(s)
      橋本真治
    • Organizer
      第77回日本消化器外科学会総会
  • [Presentation] 膵空腸吻合に意図的に内瘻孔を作成する新規膵腸吻合法(IIDH 法)2022

    • Author(s)
      小田竜也
    • Organizer
      第76回手術手技研究会
  • [Presentation] 膵頭十二指腸切除術後膵液瘻を重篤化させずに早期治癒させる周術期ドレーン管理2022

    • Author(s)
      宮﨑貴寛
    • Organizer
      第77回日本消化器外科学会総会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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