2022 Fiscal Year Research-status Report
包括的高度慢性下肢虚血が与える自家静脈グラフトへの分子細胞学的影響
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22K08910
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
菊地 信介 旭川医科大学, 医学部, 講師 (80596297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 有里 旭川医科大学, 大学病院, 助教 (50646057)
内田 大貴 旭川医科大学, 医学部, 講師 (80422038)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 末梢動脈疾患 / 包括的高度慢性下肢虚血 / 足部重症度 / 静脈グラフト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、自家静脈グラフトの開存率向上を目的として静脈壁細胞の機能を解明する研究である。我々のこれまでの成果から静脈壁の外膜細胞がもつ性質が、移植後のグラフトリモデリングに影響することが推測される。本年度の末梢バイパスからの組織片は少なく(足部動脈へのバイパスが多かったため)、組織培養に使用できる程の組織量がなかったため、病理標本の提出と細胞抽出を優先した経緯がある。①術前静脈グラフトの炎症マーカー評価は、6種類の抗体をオーダーしているが抗体発送を待っている最中であり、組織標本の薄切までは終了し染色の準備はできているが、染色と評価は次年度の持ち越しとなる。②外膜組織からの細胞抽出は約20症例ほど確保できており、6症例分の細胞増殖能を検討した結果、足部創部の重症度が高い群(N=3)では、創が無いもしくは軽症の症例群に比べ、外膜細胞の増殖能が促進している結果を得た。これはN数を増やして検討し、データを確定させる必要がある。非常に興味深い点は、これらの足部重症度が高度の外膜細胞は、同時に得た中膜内膜からの平滑筋細胞の増殖を促進する点であった(軽症例の外膜細胞での効果は乏しい)。③得られた外膜細胞の生物学的分化度は、免疫染色で評価予定であったが、②の細胞増殖能評価(組織からの細胞確保)を優先したため、本検討項目評価は遅れている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
免疫染色を行う際の抗体が、世界情勢のため半年間以上遅れている状態であることが大きい。しかし、令和5年度には問題なく免疫染色が可能となるため、次年度にはデータを得ることが可能である。また、得られた組織はホルマリン固定パラフィン包埋と細胞抽出で精一杯であるため、組織培養へ使用は難しい状態が続いた。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞抽出は20症例分確保できており、細胞機能に向けた準備は整っている(令和5年は足部重症度別に細胞機能のN数をさらに増やし、データを確定させる。これらの細胞はR5に予定している遺伝子スクリーニングに使用される。同様に組織標本は細胞抽出群に合わせてすべて標本として確保しているため、抗体が届き次第染色を開始する。余剰組織が多く得られた場合は、外膜組織の組織培養分として実験予定である。
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Causes of Carryover |
次年度に組織標本解析を持ち越したため、解析費を同様に持ち越しました。
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[Presentation] Human saphenous vein smooth muscle cells uptake extracellular vesicles from adeventitial cells2023
Author(s)
Shinsuke Kikuchi, Keisuke Kamada, Kazuki Takahashi, Yusuke Yoshioka, Takamitsu Tatsukawa, Naoya Kuriyama, Yuri Yoshida, Daiki Uchida, Richard D. Kenagy, Gale L Tang, Takahiro Ochiya, Nobuyoshi Azuma
Organizer
International Society of Extracellular Vesicles 2023
Int'l Joint Research
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