2022 Fiscal Year Research-status Report
ヒトiPS細胞由来心臓オルガノイドの構築と移植法の開発
Project/Area Number |
22K08925
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山崎 真敬 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (40338075)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 恵一 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (20199227)
高橋 辰郎 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (40383822)
志水 秀行 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (50226247)
湯浅 慎介 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (90398628)
遠山 周吾 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (90528192)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 心臓オルガノイド / ヒト多能性幹細胞 / 心筋細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性心不全の予後は悪性腫瘍と同等に悪く、重症慢性心不全の根治療法は心臓移植のみである。心臓移植にかわる治療として再生医療が注目されているが、克服すべき課題も多い。iPS細胞の出現により再生心筋細胞の細胞源は確保され、現在残されている最も大きな課題は、最適な細胞移植法の開発である。レシピエントの心臓への長期の生着と機能の回復を実現するためには、ヒト心臓に近い微小心臓組織を構築し移植する必要があると考えられている。ヒトiPS細胞由来の心筋細胞、心臓線維芽細胞および血管内皮細胞を用いてヒト心臓オルガノイドを再構築することでヒト微小心臓組織の構築が可能となり、重症慢性心不全へのヒトiPS細胞を用いた次世代の再生医療を促進させることを目的とする。 2022年度は、新たに開発したパターニングプレートを用いることにより、ヒトiPS細胞由来の純化心筋細胞、線維芽細胞 および血管内皮細胞を含む2.5Dヒト心臓オルガノイドを高効率に作製することに成功した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度はパターニングプレートを用いてを用いることにより、ヒトiPS細胞由来の純化心筋細胞、線維芽細胞 および血管内皮細胞を含む2.5Dヒト心臓オルガノイドを高効率に作製することに成功した。今後は、作製した心臓オルガノイドをさらに詳細に解析していく予定である。 以上から、現在までの進捗は順調に進展しているといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は作製したヒト心臓オルガノイドをさらに詳細に解析をしていく。次にIn vivoの実験において単一心筋細胞から構成されるスフェロイドと複数細胞から構成されるオルガノイドの移植後生着・生存率の違いを評価する。心筋梗塞領域周囲では血流が不足するため、ヒト心臓オルガノイドを移植した際に生着率が向上することが期待される。
|
Causes of Carryover |
2022年度は旅費のほか実験用材料、試薬、消耗品、データ整理用PCなどを購入する費用として算出したが、材料、試薬、消耗品については実験室に残っていた分もあり、そちらから使用した結果、残額が生じた。2023年度はオルガノイドのスケールアップを予定しており、昨年度よりも多くの試薬などを使用する。そのため、もともとの予定額を超える可能性があり、そこに残額を充てる予定である。
|