2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K08930
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 智之 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (10837157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 恵 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (00646151)
松尾 諭志 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (10869655)
齋木 佳克 東北大学, 医学系研究科, 教授 (50372298)
佐々木 康之輔 東北大学, 医学系研究科, 助教 (50755642)
片平 晋太郎 東北大学, 大学病院, 講師 (80870138)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | がん / 人工心肺 / 心臓手術 |
Outline of Annual Research Achievements |
担がん患者への心臓血管外科手術において、体外循環を用いた際に、血液が異物に晒されたことによる炎症反応の惹起や、機械的な循環によりがんの転移を助長する可能性が以前から指摘されてきた。しかし、検証実験が行われたわけではなく未だ不明確なテーマである。体外循環によるがん細胞の変化と各臓器への転移に関して動物実験を通し評価し、担がん患者への体外循環を用いた手術後のがんの進行に関して最新の抗体化学を用いて明らかにすることが本研究の狙いである。 まずラットへの人工心肺導入を行える環境を整備した。必要物品や、当科で以前行っていた人工心肺の実験系から改善点がないか再検討している。動脈系、静脈系のアクセスが限られることや血管径が細いため送血、脱血が十分できるカニューレの選択は、適切な体外循環の流量を確保することにつながり、がんの転移に影響する可能性もある着眼点でもあり、先行研究を参考に調整している。次にラットのがんモデル作製を試みている。臨床的に遭遇し得るがんモデルでの実験により臨床的意義も大きいものとなることが推定されるため情報収集に努めた。泌尿器系癌に関しては月単位の作製期間を要すものがあり、その他複数種類のがんモデルできないか検討している。がんを実験を行うことを考慮した際、再現性の高さが体外循環を実施する実験結果に大きく影響する予想されるので、手技的に確実性の高いモデルの作成を鋭意調整中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
がん作製のラット自体の手技の習得に時間を要している。また当学の実験施設改装工事のタイミングとかぶり、実験期間に制約があった。
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Strategy for Future Research Activity |
他診療科の研究とも連携しラットを用いたがんモデルの複数種類の作製が必要となる。実臨床では1種類のがんだけではなく、さまざまながんの既往がある患者に人工心肺導入を視野に入れることがあるためである。ラットを用いた人工心肺確立に関して手技や使用器具について改善の余地があるため再考する。
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Causes of Carryover |
実験計画は遅延しているが、実験に必要とされる人工心肺関連の器材やがん組織などの病理学的検査を行うための抗体などの消耗品の購入に充てていく。
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