2023 Fiscal Year Research-status Report
アディポサイトカインであるケメリン発現を利用した冠動脈疾患発症予測因子の開発
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22K08948
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
中村 信久 愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (50619773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 敏之 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (10728299)
伊藤 瑞穂 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (40814611) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 心臓周囲脂肪組織 / アディポサイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国における冠動脈疾患(CAD)の発症率および急性発症時の死亡率は依然として高く、救命されたとしてもその後の後遺症として慢性心不全を続発するこ とは国民の憂慮すべき問題である。そのため、日常臨床におけるCAD発症の予測因子の開発が求められている。 近年、心外膜周囲脂肪組織(epicardial adipose tissue: EAT)における炎症性サイトカイン発現やマクロファージ浸潤が冠動脈硬化に関与している可能性が示唆されている。マクロファージの強力な走化性因子であるケメリンは、肥満やインスリン抵抗性に関与するアディポサイトカインであり、炎症を惹起することによって冠動脈などの動脈硬化を促進するといわれている。本研究では、CAD患者のEATに存在するマクロファージのM1/M2極性に着目し、EAT内におけるケメリンとの相関を検討する。さらに、当該症例の血清ケメリン、臨床検査情報や生活習慣病情報も包括した統合的解析を行い、CADにおけるケメリンの病態的意義を解明し、血清ケメリンがCAD発症予測因子となりうるかを検証する。 今回の予備実験の結果では、脂肪サイズの確認においてCADと非CADとの有意な差を認めなかった。CADではEAT量は増加しているものの、EAT量とCADの重症度が関連しないという報告があり、その結果を今回の予備実験では反映している可能性がある。そのため、EATにおけるアディポサイトカインの分泌様式、マクロファージの浸潤などEAT の質的異常がCADの進展に影響を及ぼしている可能性を今後検討していく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は観察研究のため、心臓血管外科手術の必要症例数を得る必要があり、倫理委員会承認後に了解頂いた患者に研究の必要性を丁寧に説明し、検体採取を行っている。2024年5月現在までに約70例(CAD25症例・non-CAD症例45例)が得られているが、統計学的に必要な症例数である100症例(CAD50症例・non-CAD症例50例)を目標に今後も継続していく。一方で現在得られた検体のEAT、SCATにおける脂肪組織片を抗ケメリン抗体および抗CMKLR1抗体を用いて染色し、脂肪組織における発現強度を蛍光免疫組織染色にて測定している。さらに血清のアディポサイトカイン濃度測定を逐一行っており、研究の進捗状況はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は引き続き該当患者に研究の必要性を丁寧に説明し、検体採取を行っていく。同時に今までに得られた患者検体のEAT内のマクロファージの極性 を確認するとともに、EAT、SCATにおける脂肪組織片を抗ケメリン抗体および抗CMKLR1抗体を用いて染色し、脂肪組織における発現強度を蛍光免疫組織染色にて 測定する。また血清アディポサイトカイン値の測定を逐一行っていくとともに、心臓血管術症例から冠動脈病変の程度の定量化を行ったのち、血液検査や性差、 BMI等の臨床検査情報を統計ソフトを用いて重回帰分析し、標準化係数からケメリン並びに各種臨床検査情報におけるマクロファージ極性および動脈硬化への寄 与度を評価する。一方で皮下細胞細胞におけるケメリンの発現変化が水素ガスの添加によって変化する所見を得たため、新たな研究を行っていく。
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Causes of Carryover |
本実験は名古屋市立大学で患者の検体を採取し、名古屋市立大と愛知学院大学で解析を行っている。2023年度は主に愛知学院大学で解析を行い、2024年度は一部を名古屋市立大学で行う。研究分担者の山田敏之が主となって行う解析が2024年度にあるため、そのための消耗品の費用を2023年度から繰り越した。
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Research Products
(14 results)
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[Presentation] The involvement of ANGPTL4 in periodontitis and the influence of high glucose.2023
Author(s)
Kondo S, Kojima K, Nakamura N, Miyabe M, Kikuchi T, Ohno T, Sawada N, Minato T, Saiki T, Ito M, Sasajima S, Matsubara T, Mitani A, Naruse K
Organizer
American Diabetes Association’s 83rd Scientific Sessions
Int'l Joint Research
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[Presentation] Thermal Gradient Ring Reveals Thermosensory Changes in Diabetic Peripheral Neuropathy in mice.2023
Author(s)
Sasajima S, Kondo M, Nakamura N, Naruse K, Motegi M, Hayami T, Asano S, Morishita Y, Himeno T, Tsunekawa S, KatoY, Nakamura J, Kamiya H, Tominaga M
Organizer
IDF-WPR Congress 2023 / 15thAASD Scientific Meeting in Conjunction with JADEC Annual Scientific Meeting
Int'l Joint Research
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