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2022 Fiscal Year Research-status Report

急性大動脈解離に伴う肺障害に対する好中球エラスターゼ阻害薬の作用機序の基礎解析

Research Project

Project/Area Number 22K08949
Research InstitutionAsahikawa Medical College

Principal Investigator

白坂 知識  旭川医科大学, 医学部, 客員准教授 (10710577)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 小山 恭平  旭川医科大学, 医学部, 講師 (00818479)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords大動脈解離 / 呼吸機能低下 / SIRS / 急性肺障害(ALI) / シベレスタットナトリウム
Outline of Annual Research Achievements

急性大動脈解離に伴う呼吸機能低下は, その背景に血管の構造破綻を起因とする全身性炎症性症候群(SIRS)が考えられていて, 特に好中球エラスターゼ活性の上昇が急性肺障害(ALI)の原因であることが 動物実験を通して示唆されている. 本研究では, 好中球エラスターゼ阻害薬の肺特異的な抗炎症性効果を証明するのが最終目標だが, まず急性大動脈解離で惹起されると考えられる炎症性サイトカインの発現を証明し、病態生理について解明することが必要と考えた.
令和4年度は、急性大動脈解離の手術で得られる組織を用いて、病変部位において実際に炎症が惹起されているかどうかを、免疫染色法を用いて組織学的に解析した. 始めに、炎症性メディエーターであるIL-6の発現変化を検討したが、適切な抗体を見つけることができなかった. そのため、IL-6の転写因子であるStat3のリン酸化(pStat3)を指標に、炎症の惹起と炎症性メディエーターの発現を評価した.
大動脈解離群において大動脈壁内部のpStat3陽性細胞の割合は約71%で、コントロール群(真性瘤)と比較して高い傾向にあり(約51%)、大動脈症例では炎症が強く惹起されていることが示唆され、本研究の仮説をサポートする結果となった.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

令和4年度は、急性大動脈解離の手術で得られる組織を用いて、病変部位において実際に炎症が惹起されているかどうかを、免疫染色法を用いて組織学的に解析した。始めに、炎症性メディエーターであるIL-6の発現変を検討したが、適切な抗体が見つけることができなかった。そのため、IL-6の転写因子であるStat3のリン酸化(pStat3)を指標に、炎症の惹起と炎症性メディエーターの発現を評価した。大動脈解離群において大動脈壁内部のpStat3陽性細胞の割合は約71%で、コントロール群(真性瘤)と比較して高い傾向にあり(約51%)、大動脈症例では炎症が強く惹起されていることが示唆され、本研究の仮説をサポートする結果となった。

Strategy for Future Research Activity

令和5年度はさらに症例を集めるとともに、大動脈解離部位での炎症が肺障害に関与するかどうか検討を行う。具体的には, まず大動脈解離を呈した大動脈壁の培養液内から得られる炎症性サイトカインを免疫不全モデルのマウスに経尾静脈投与し, 肺障害の程度を病理学的に検討する。さらに, この培養液に好中球エラスターゼ阻害薬を混入させたものを同様にマウスに投与し, 肺障害の悪化抑制が認められるかどうかを検証する。

URL: 

Published: 2023-12-25  

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