2023 Fiscal Year Research-status Report
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22K08995
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
齋藤 大輔 金沢大学, 附属病院, 助教 (50722055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 勲 金沢大学, 医学系, 教授 (80361989)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ビタミンB2 / 組織血流 / 気管支断端 |
Outline of Annual Research Achievements |
成豚を用い気管支、肋間筋弁の血流評価を行った。また、ビタミンB2投与により血流量と自家蛍光の関係を検討した。気管支は前葉気管支で評価を行い、1.未処理、2.結紮、3.切離の3つの状態の気管支血流を評価した。処理前の気管支血流が28.6であったのが結紮後の同部位では血流が13.2と低下していることを確認した。また、切離断端も14.8と低下していることを確認した。気管支切離を行った後にビタミンB2を投与しブラックライト照射のうえ蛍光を認めるか確認した。切離部より中枢側では蛍光は強く認めたが、切離断端に近づくにつれ蛍光は弱くなっているように思われた。 本研究の目的である気管支断端合併症の危険因子である気管支虚血がビタミンB2投与による蛍光の観察で評価が可能であることが示唆された。 また、生体組織の被覆材として肋間筋弁を用いることがあり肋間筋弁の血流も同様に評価した。肋間筋弁は2種類用意し1.肋間動静脈を温存、2.肋間動静脈を切除したものの2種類で評価した。肋間動静脈を温存したものと比較し、肋間動静脈を切除したものに関しては切除前と比較し血流の低下が確認された。胸膜面中枢と胸膜面末梢においてそれぞれ血流が11.7→6.8、9.3→5.6と低下していた。またビタミンB2投与により血流が温存されている部位の方が蛍光が保たれていることを確認した。蛍光により肋間筋弁の血流評価が可能と思われ、気管支断端合併症予防に必要な血流が保たれた生体組織の選択に有効と思われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
成豚6頭での評価を予定しているが、気管支の処理の方法、最適な血流測定部位の検討が必要となった。また、肋間筋弁を授動するにあたり肋間動静脈損傷などにより正確な評価ができなかったことなどから計画に遅れがでてきている。
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Strategy for Future Research Activity |
実験手順の早期確立と手技の安定を図り、結果をめとめる。また、蛍光の発色を輝度解析ソフトウェアを用い定量化する。実験結果をまとめて論文作成する。
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Causes of Carryover |
上記のように研究に遅れが生じているため次年度使用が必要である。次年度中に予定数の成豚6頭での評価を行い検査データをまとめる。
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