2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of novel molecular targeted therapy and immunotherapy for high-grade neuroendocrine carcinoma of the lung and analysis of resistance mechanisms
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22K09002
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
春木 朋広 鳥取大学, 医学部附属病院, 准教授 (20529416)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 肺高悪性度神経内分泌癌 / 分子標的治療 / 免疫療法 / PD-L1 / ポドプラニン |
Outline of Annual Research Achievements |
原発性肺癌の中のうち、肺高悪性度神経内分泌癌(肺HGNEC)は他の組織型に比べて生物学的悪性度が高いため、進行が早く予後不良である。近年になり、その分子病理学的特徴が少しずつ解明され、そのサブタイプ分類や治療標的分子が明らかにされてきた。しかし、実臨床ではそうした基礎研究の成果が結びついているとは言い難く、依然として肺HGNECの患者の治療選択肢は少なく予後の大きな改善には至っていない。本研究は、肺HGNECに対して、合成致死に基づく新規分子標的治療薬と、近年の癌薬物療法で重要な位置づけとなっている免疫チェックポイント阻害薬の薬剤感受性を細胞株や患者由来腫瘍オルガノイドを用いて解析するとともに、その治療前後における、腫瘍細胞と腫瘍微小環境の変化や耐性機序についても詳細に検討し、今後の実臨床における新たな治療展開へと結びつけることができる発見を導き出すことを目的とする。 2022年度は、ASCL1、NEUROD1、POU2F3、YAP1の分子マーカーによるサブタイプが明らかになっている肺高悪性度神経内分泌癌完全切除症例50例に対して、腫瘍細胞及び間質細胞におけるPD-L1発現状況を免疫染色で確認した。また、間質細胞において腫瘍促進性または腫瘍抑制性に機能するポドプラニンについて、その蛋白発現状況を免疫染色で確認した。これらの結果を基に、肺高悪性度神経内分泌癌の分子サブタイプとPD-L1の関連、またポドプラニン陽性癌関連線維芽細胞との関連を確認している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床検体である肺高悪性度神経内分泌癌完全切除症例のFFPEブロックの収集について、関連病院からも集める必要が出てきたが、それが遅れたため。
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Strategy for Future Research Activity |
肺高悪性度神経内分泌癌切除組織を関連施設から収集し、計100症例のPD-L1蛋白発現状況とポドプラニン陽性癌関連線維芽細胞との臨床病理学的因子の関連や生存解析を行っていく。
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Causes of Carryover |
研究が当初の予定より遅れており、次年度予算で実験に必要な試薬や消耗品を購入する必要がある。
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