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2023 Fiscal Year Research-status Report

Sex differences in the rat A11 dopaminergic descending pain regulating pathway

Research Project

Project/Area Number 22K09027
Research InstitutionDokkyo Medical University

Principal Investigator

山口 剛  獨協医科大学, 医学部, 講師 (70323970)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 濱口 眞輔  獨協医科大学, 医学部, 教授 (60275758)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2026-03-31
Keywordsドーパミン作動性神経細胞 / A11領域 / 下行性疼痛抑制系 / 性差
Outline of Annual Research Achievements

偏頭痛や慢性疼痛などの症状は男性よりも女性で頻度が高く、長引きやすい。痛みの感じ方や鎮痛の効果に性差があることは知られているが、痛みに関して性差を生じさせるメカニズムは明らかになっていない。視床下部背側部A11領域はドーパミン作動性神経細胞が豊富な領域で第3の下行性疼痛抑制系と考えられている。研究代表者はA11領域が多様な神経細胞から構成されていること、A11領域神経細胞の一部は性ホルモン受容体を発現していること、を明らかにしてきた。これらの知見をもとに本研究ではA11領域の性ホルモン発現神経細胞による疼痛調節機構の解明を目指す。
令和5年度は疼痛モデルの選定を行った。発痛物質カプサイシンを大腸内に注入して痛み刺激を与えたラットの脳サンプルの提供を依頼し、痛み刺激の有無によりA11領域内の神経活動に違いが生じるかを検討した。痛み刺激を加えた個体と加えない個体から脳凍結切片を作製し、c-Fos蛋白質の発現を神経活動の指標として、免疫組織染色法でA11領域内のc-Fos陽性細胞の分布を比較した。痛み刺激の有無でA11領域内のc-Fos蛋白質発現分布は異なっており、この発現分布は雄と雌でも異なっていた。これらの結果から、大腸へのカプサイシン刺激を行った疼痛モデルラットのA11領域組織構造解析が、疼痛調節機構におけるA11領域の役割の解明やA11領域の疼痛調節機構における性差の解明を目的とする本研究課題に有用なモデルであることが示された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

初年度に完了したc-Fos抗体の選定・実験条件検討をもとに、モデル動物から作製した脳凍結切片を用いてA11領域の免疫組織染色を行い、疼痛モデルの選定を行った。研究計画では初めの2年で、研究グループ内で疼痛モデルを作製・選定する予定だったが、他の研究グループが作製した疼痛モデル動物の脳サンプルを使って良好な結果が得られたので疼痛モデルの選定に関しては、おおむね順調である。高感度mRNA発現検出法については、RNAscopeのランニングコストが非常に高額であるという問題点があった。令和5年度はRNAscopeの代替法として、より安価な高感度mRNA発現検出法としてin situ hybridization chain reaction法(in situ HCR法)を導入し、プローブ選定など新しい実験手法を立ち上げた。そのため組織構造解析に関して、やや遅れている。A11領域内の特定の神経細胞の疼痛調節機構における役割を明らかにするために、疼痛モデル動物のA11領域内の特定神経細胞をイムノトキシンで選択的に破壊し、選択的標的細胞破壊効果を評価する研究計画であるが、A11領域の組織構造解析が遅れているため、標的となる細胞の選定が遅れている。

Strategy for Future Research Activity

令和6年度はin situ HCR法を立ち上げ、免疫組織染色法とin situ HCR法の両方の手法を用いてA11領域の組織構造解析を進めていく。令和5年度に選定した疼痛モデルラットの脳サンプルの提供を令和6年度も依頼したところ快諾を得られているので組織構造解析に使用する脳凍結切片は、この疼痛モデル動物から作製する。脳内微量注入装置のセットアップは初年度に完了しているので、令和6年度に選択的神経細胞破壊実験の標的細胞の選定を完了次第、薬物の脳内微量注入を行い選択的神経細胞破壊実験の条件検討を進める予定である。

Causes of Carryover

申請時に使用を計画していた高感度mRNA発現検出法が非常に高額で、より安価な代替法を導入することにしたこと、また、代替法のセットアップによって組織構造解析に遅れを生じ、抗体など組織構造解析に必要な試薬の購入ができなかったことなどが理由で、支出されなかった金額が生じた。高感度mRNA発現検出法や免疫組織化学法などの組織構造解析に必要な試薬などの購入に使用予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2024

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Parvalbumin-positive neurons in the mouse A8 region were lesser than those in the rat2024

    • Author(s)
      山口剛、江原鮎香、上田祐司、濱口眞輔、徳田信子
    • Organizer
      第129回日本解剖学会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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