2022 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病モデルマウスにおける術後認知機能障害への脳内モノアミンの関与
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22K09046
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小幡 典彦 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (30509443)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 術後認知機能障害 / モノアミン / 糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、糖尿病モデルマウスを用いて、術前にノルアドレナリン、ドパミンなどの神経伝達物質、あるいはその拮抗薬を投与することで、術後認知機能に与える影響を行動評価と分子レベルの解析を施行して調査し、さらに、手術侵襲前の血糖コントロール介入が術後認知機能障害発生に与える影響を明らかにすることを目指す。モノアミン動態の経時的な変化を調べることで、糖尿病が術後認知機能障害の危険因子とされる病態機序の解明や、術後認知機能障害の予防策に繋げることが期待できる。 現在、C57BL/6J雄性マウスを用いて、6週齢より高脂肪食を8週間摂食させた2型糖尿病モデルマウスを作製し、腸管操作を伴う開腹手術侵襲を与えると同時に、手術侵襲前後での認知機能を評価するための行動評価を行っている。ストレプトゾシン腹腔内投与にて作製する1型糖尿病モデルについても同様の評価を行う。今後は、術前にモノアミン関連薬剤(ノルアドレナリン、ドパミン、それらの阻害薬)の脳室内投与を行い、手術侵襲前後での認知機能を評価するための行動実験、血液、脳組織サンプルを解析する。さらには、血糖値の変化と周術期の認知機能変化の関連性を探るために、糖尿病モデルマウスに対して術前に血糖コントロール介入を行い、術前にモノアミン関連薬剤および阻害剤を投与する群、投与しない群のそれぞれに手術侵襲を与え、手術侵襲前後での行動実験を行う。その後、血液、脳組織サンプルを採取し、解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在までに、高脂肪食摂食による2型糖尿病モデルマウスを対して手術侵襲前後24時間で行動評価を施行することができ、脳での分子生物学的解析に向けてサンプル採取を進めている。ストレプトトゾシン投与による1型糖尿病モデルについては予定外に血糖値が安定したモデル作製が進まず、この点で、当初予定していた実験計画には不足している状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、糖尿病モデルマウスに対して術前血糖コントロール介入を行い、術前にモノアミン関連薬剤および阻害剤を投与する群、投与しない群のそれぞれに手術侵襲を与え、手術侵襲前後での行動を評価する。その後、血液、脳組織サンプルを採取し、分子レベルの解析を行う。各組織のモノアミンは高速液体クロマトグラフィーにて分離定量を行う。一方、受容体群についてはmRNA発現量(real time PCR)、蛋白発現量(ELISA、Western blot、免疫組織化学)の解析を行い、対照群を含めた各群で比較検討する。 これまでの遅れを取り戻すべく、本研究に精通した協力者を増員して実験を進める予定としている。
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Causes of Carryover |
研究計画よりも実際にはやや遅れが生じたことにより、試薬や動物の購入数が計画よりも少なくなったため、次年度使用額が生じた。次年度に遅れを修正することで使用可能と思われる。
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