2023 Fiscal Year Research-status Report
RNAiでの脳水チャネル調節と低酸素プレコンディショニングによる脳神経保護効果
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22K09057
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
藤田 義人 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (90238593)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 脳虚血 / プレコンディショニング / 脳低温 / βブロッカー |
Outline of Annual Research Achievements |
アクアポリン(AQP)Knockdownとover-expression細胞株の確立と低酸素プレコンディショニングの条件確立を行った。並行して低酸素負荷でのカテコラミンサージのレスキューとして期待している薬物βブロッカーの効果発現の実験を行なった。 低酸素負荷後に細胞状態を低酸素チャンバー再検討した。プレコンディショニングの条件として、15%酸素、10%酸素、5%酸素、1%酸素の条件での細胞死の状態を観察した。21%酸素での培養と比較して、15%酸素では細胞数に変化はなかったが、それ以下の濃度はむしろ細胞数の増加を観察した。1%低酸素負荷の条件が最も低酸素負荷となるためこちらのモデルを採用しする。低酸素に加え低血糖の状態を付加して虚血モデルでも確認できており、プレコンディショニングモデルを確立できたと考えている。プレコンディショニングモデルでのAQP4発現を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ノックダウンとover-expressionの確立している。低酸素の程度により低酸素負荷は、負荷後に細胞が増える傾向を確認した。そのため原因の追究を行なっている。現在での低酸素負荷が、プレコンディショニングの状態を惹起し、細胞死を確かめる実験の操作での少量酸素が細胞増加の原因の一つと考えている。繰り返し確かめられた現象であるので、これまでの発表された論文とことなる結果のため原因を慎重に検討している。 並行してすすめている低酸素負荷で起こるカテコラミンサージとレスキューとしての実験は、βブロッカーがTNF-αのmRNA発現量に及ぼすエピネフリンの効果に拮抗することを見出した。結果の一部は2023年の麻酔科学会にて発表した。さらに論文作成につなげていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、実際の低酸素における細胞増加現象が、プレコンディショニング、脳浮腫との関係などの解明を進めている。プレコンディショニングが、AQP4の遺伝子発現に与える影響を検討している。低酸素状態の程度によってアポトーシスを起こしている現況を定量的調節できることも検討している。低酸素での影響を評価できるよう、研究を進めている。それらを行った上で、ノックダウン、over-expressionをもちいてアポトーシスに対しての影響を検討する予定である。今回プレコンディショニングのモデルとして確立できたと考えているのでこれを用いて更に研究を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
アストロサイトの調達を現時点では、毎回ratをsacrificeしてのprimary cultureでではなく、業者からの購入した細胞を使用した。そのため、若干の経費の繰越となった。また申請者の異動により、実験環境の再整備を行う必要があった。現在、論文の投稿等、計画に則り使用する予定である。
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