2022 Fiscal Year Research-status Report
好塩基球のMRGPRX2をターゲットとしたアナフィラキシーのメカニズムの解明
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22K09065
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
南雲 一洋 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (10827588)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 周術期アナフィラキシー / 好塩基球 / MRGPRX2 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、アナフィラキシー発症における好塩基球のMas-related G-protein coupled receptor member X2(MRGPRX2)の役割を調べ、アナフィラキシー発症の機序を解明することである。 本研究によりアナフィラキシー発生機序についての理解が進めば、診断法や予防法、治療薬の開発につながることが期待される。 研究期間開始後、周術期に使用した薬剤に対してアナフィラキシーを起こした者、及び起こさなかった者からそれぞれ採血を行った。その薬剤と採取した血液を試験管内で混合することで、好塩基球活性化試験をどのような反応が起こるかをアナフィラキシー群・非アナフィラキシー群で比較し評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肥満細胞のMRGPRX2については過去によく研究されている。一方で、本研究の対象である好塩基球のMRGPRX2についてはほとんど知られておらず、まず適切なアゴニスト及びアンタゴニストを選定するところから研究を始める必要があり、研究には時間を要する。 しかし、研究開始後、アナフィラキシー患者のデータは順調に集めることができているため、研究は概ね順調であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、周術期に使用した薬剤に対してアナフィラキシーを起こした者、及び起こさなかった者からそれぞれ採血を行う。その薬剤と採取した血液を試験管内で混合することで、どのような反応が起こるかをアナフィラキシー群・非アナフィラキシー群で比較し評価する。
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Causes of Carryover |
好塩基球の反応の確認には好塩基球の活性化マーカーに対する抗体などが必要である。一般的に抗体は高価であるが、本研究で用いる抗体も高価であるため次年度使用額が生じた。さらに、本研究は一般的な好塩基球活性化試験よりも測定項目が多く、抗体の消費も多かったため、当初の想定より早期に費用がかかった。また、これからの使用計画については、今後のアナフィラキシー発生状況にもよるが、助成金の範囲内で必要な試薬を購入していくことができ研究には支障ないと考えている。
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