2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of perioperative blood glucose control methods for prevention of postoperative vascular endothelial glycocalyx disorders
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22K09093
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
江木 盛時 京都大学, 医学研究科, 教授 (20423296)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 血管内皮グリコカリックス障害 / 心臓手術患者 / 術後急性腎障害 / 持続血糖測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、人工心肺を用いた心臓手術患者52名の周術期血液検体を用い、血管内皮グリコカリックス障害のマーカーとしてシンデカン-1値を測定した。患者群の平均年齢は69.8歳、男性63.5%、平均Euro score3.97であった。75%の患者に弁膜症手術が行われ、38%の患者に大動脈手術が施行された。 周術期推移の評価のために、手術前、人工心肺開始1時間後、人工心肺開始2時間後、人工心肺終了後2時間後、術翌日のシンデカン値を測定した。周術期におけるシンデカン値の中央値は、手術前35.4ng/ml、人工心肺開始1時間後196.6ng/ml、人工心肺開始2時間後227.1ng/ml、人工心肺終了後2時間後251.2ng/ml、術翌日65.4ng/mlであり、人工心肺開始後からシンデカン-1は増加し、翌日には低下した。臓器障害の一つとして術後急性腎障害(AKI)との関連は、術翌実におけるシンデカン-1に認め、AKI非発生群における中央値で53.3ng/ml、AKI発生群における中央値で97.1ng/ml(p<0.05)であった。 術後48時間以内に発生したせん妄の有無で二群に分けて、周術期シンデカンー1の値を検討した。手術前、人工心肺開始1時間後、人工心肺開始2時間後、人工心肺終了後2時間後、術翌日のいずれにおいても有意差はなかった。 本年度も患者数集積を継続し、持続血糖測定から得られた血糖指標との関連を検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
主任研究者の大学間における異動があったが、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度も患者数集積を継続し、持続血糖測定から得られた血糖指標との関連を検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
主任研究者の移動に伴って、資金の使用頻度が減少した。臨床研究は両大学で行い、基礎研究は赴任した大学で行うことで、研究を促進させたい。
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