2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of perioperative blood glucose control methods for prevention of postoperative vascular endothelial glycocalyx disorders
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22K09093
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
江木 盛時 京都大学, 医学研究科, 教授 (20423296)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 血糖管理 / グリコカリックス |
Outline of Annual Research Achievements |
52名の人工心肺を要する心臓血管手術を受けた成人患者を対象とし、周術期の血清シンデカン-1濃度を測定した。グリコカリックスと血糖管理、ならびに術後急性腎障害との関係を術前に透析を受けていた患者、術前の血清クレアチニン濃度が2.0mg dl-¹を超えた患者、下行大動脈を含む手術を受けていた患者は除外した。術後急性腎障害は18例(34.6%)で発生した。血清シンデカン-1濃度はCPB開始後に上昇し、二峰性のピーク値を示した。すべての時点における血清シンデカン-1濃度は麻酔導入後と比較して有意に上昇していた。CPB離脱30分後および術後1日目の血清シンデカン-1濃度はpAKIの発生と関連していた(OR=1.10 [1.01 to 1.21], P=0.03; OR=1.16 [1.01 to 1.34], P=0. 04]。pAKIをもたらす血清シンデカン-1濃度のカットオフ値は、101.0 ng/ml (感度=0.71、特異度=0.62、曲線下面積(AUC)=0.67(0.51~0.83))および57.1 ng/ml (感度=0.82、特異度=0.56、AUC=0.71(0.57~0.86))であった。多変量ロジスティック回帰分析の結果、術後1日目の血清シンデカン-1濃度はpAKIの発生と関連していた(OR=1.02 [1.00 to 1.03]; P=0.03)。 周術期血糖値の平均値は153.4mg/dlであり、今後、血糖推移とグリコカリックス値の推移との関係、血糖推移とグルコカリックス値の推移とAKIリスクの関係に関して解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね予定通り進んでいる。臨床研究における症例集積は終盤となり、動物実験に関してはグリコカリックス値の解析まで進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床研究においては、症例数の蓄積を行い、血糖推移とグリコカリックス値の推移との関係、血糖推移とグルコカリックス値の推移とAKIリスクの関係に関して解析する予定である。 動物実験においても血糖推移がグルコカリックスの推移に与える影響に解析を行う。
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