2023 Fiscal Year Research-status Report
好中球の異質性が関与する外傷後二次性感染症の病態解明と治療法開発に向けた基盤研究
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22K09109
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
斉藤 智誉 北海道大学, 大学病院, 特任助教 (00899263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 剛志 北海道大学, 医学研究院, 助教 (30455646)
山川 一馬 大阪医科薬科大学, 医学部, 准教授 (50597507)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 好中球 / マクロファージ / 外傷後二次性敗血症 / CyTOF / LUMINEX / 臓器障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に確立させた盲腸結紮穿孔(CLP)敗血症モデルを用いて、外傷後二次性敗血症およびsham損傷後敗血症での生存率の比較、腹水中生菌数評価、免疫学的比較としてLUMINEX およびCyTOFを行った。また、前年度に病理学的評価を行ったが、リンパ球とマクロファージの比によるスコアリングシステムを用いての脾臓へのマクロファージ浸潤の程度を追加検討した。 生存率:Sham損傷後敗血症と比較して熱傷後敗血症では生存率が大きく低下した(66.7% vs. 13.3%)。生菌数:両群に有意差は認められなかった。LUMINEX:外傷後敗血症では、TGF-β1以外のサイトカインが炎症性・抗炎症性ともに全般的に低下していた。TGF-β1はBurn/CLP群の血清中で有意に高く、インターフェロンγを代表で示していますが、血清中でも腹水中でもBurn/CLP群は低下していた。CyTOF:外傷後敗血症の腹水中ではCD11b陽性好中球が増加し、血液中でも同様の傾向が確認された。また、血液中ではSIRPα陽性好中球が増多し、腹水でも同様の傾向を示しました。腹水中のSiglec-F陽性好中球がBurn/CLP群で有意に増加していた。また外傷後敗血症の腹水中には、CD68強発現、Ly6GとCD11bが低発現の好中球が欠損していることが確認された。脾臓のマクロファージ浸潤:コントロ―ル群では平均スコア0であったのに対し、Sham損傷後敗血症ではスコア1.4と上昇、外傷後敗血症はスコア0.4であり、コントロール群よりは上昇しているものの、Sham損傷後敗血症よりも脾臓のマクロファージの割合が低下していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID-19による研究の制限がなくなり、当研究室での実験基盤に加え、共同研究先である大阪医科薬科大学救急医学教室山川一馬准教授の研究室との共同研究体制により免疫学的評価が可能となった。CyTOFの機器は当方、および山川一馬研究室でも保有していないが、聖路加エスアールエル先端医療研究センターの受託解析を用いて行うことができ、そのデータ解析もクラウドデータベースOMIQを用いることで可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的の一つである免疫応答修飾因子の免疫応答に与える影響評価のためCpG-ODN(敗血症誘導2時間後にCpG-ODN2mg /kgを皮下投与)を用いてここ2年と同様の実験を予定する。 以上をもって予定している結果は出そろうこととなるため、海外学会発表(SHOCK conference)および英文論文執筆投稿(Journal of Immunology)を予定する
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Causes of Carryover |
高額な抗体の購入費を計上していたが、当研究室で保管していた試薬を使用することが可能であったため予算を次年度に繰り越した。最終年度に予定している、免疫応答修飾因子の免疫応答への影響評価において、新たなCyTOFとLUMINEXの抗体を購入する予定である。
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