2022 Fiscal Year Research-status Report
救命救急センターで分離されたESBL産生大腸菌の患者背景と分子疫学的解析
Project/Area Number |
22K09126
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
野村 泰充 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (30596771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 章代 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (10707441)
矢野 寿一 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (20374944)
川口 昌彦 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60275328)
中野 竜一 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (80433712)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 薬剤耐性菌 / ESBL / 救命救急センター / 市中感染 / 三次病院 / 院内感染 / プラスミド / 接合伝達 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、ESBL産生大腸菌は、院内感染菌のみならず市中感染症の原因菌となることが報告されている。救命救急センターにおいても外来時での培養検査で分離されることがある。ESBL産生菌は、接触感染で広がることが多く、また耐性遺伝子がプラスミド上にあるため伝播能が高く、感染対策が重要な病原体である。本研究では、救命救急センター由来の患者からの分離菌を解析することにより、市中感染症におけるESBL産生大腸菌の状況を把握することができる。また、救命救急センター由来株を対象とすることから、本研究は、市中、病院内と両方の分離状況を正確に反映するものと考えられる。また、患者背景を調査することにより、患者と感染状況の関連性を調べることが出来る。 現在奈良県内の三次医療機関救命救急センターの外来患者から分離されたESBL産生大腸菌110株に対し、MALDI-TOF MS (VITEK MS)による菌種の同定、ディスク拡散法(DDST)によるESBL産生の確認試験、寒天平板希釈法(CLSI法)による薬剤感受性試験(MIC)、PCRとDNAシークエンシングによる耐性遺伝子の解析、MLST解析によるゲノム型別の判明、液体培養法による接合伝達実験と伝達頻度の測定、IncPCRによるESBL産生遺伝子保有プラスミドのレプリコン型別の判定、接合伝達実験により得られた株に対して寒天平板希釈法(CLSI法)による薬剤感受性試験(MIC)、IncPCRによるESBL産生遺伝子保有プラスミドのレプリコン型別の判定まで実験は進行している状況である。 研究内容に関して、2023年4月に開催された第97回日本感染症学会総会・学術講演会第71回日本化学療法学会学術集会合同学会にて発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は当初の計画通りに概ね進行していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は救命救急センターで分離されるESBL産生大腸菌と患者背景(性別・年齢・搬送理由・疾患・バイタルサイン・既往歴・入院歴・抗生剤投与歴・海外渡航歴等)との関連性を調べ、そして、ESBL産生菌検出のリスク因子を調査し、出来れば救命救急センターに搬入・来院する患者がESBL産生菌感染症であるかどうかを予測するスコアを検討する。また、ESBLの遺伝子型と患者背景との関連性も調査する。
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Causes of Carryover |
研究に使用するパソコンや研究機器、試薬等の値上がりや、また研究の前倒しによる研究の追加により次年度使用額が生じた。
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Research Products
(1 results)