2023 Fiscal Year Research-status Report
好中球の包括的な免疫代謝解析に立脚した好中球機能の回復による敗血症治療法の開発
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22K09146
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
東條 健太郎 横浜市立大学, 医学部, 講師 (80737552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 悠毅 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (30590202)
高木 俊介 横浜市立大学, 附属病院, 准教授 (90644823)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 好中球 / 免疫代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、好中球の代謝評価と併せて、好中球の組織傷害性をin vitroにて評価する実験系の構築を行った。肺は敗血症において傷害を受ける代表的な臓器であることから、ラットの肺胞上皮細胞株L2細胞の培養系に対して、ラットから単離した好中球を添加し、LPS等で刺激することによって細胞傷害を引き起こす実験系を構築することが出来た。当初は生細胞の数を位相差画像を用いたコンフルエンシーの評価および、WST-8による細胞代謝に基づいて評価していた。しかしながら、位相差画像によるコンフルエンシー評価は信頼性が低く、WST-8での評価は細胞数だけではなく細胞代謝の影響を受けることが明らかとなった。そのため、より細胞数評価の定量性を向上させるためにL2細胞をカルセインによって蛍光標識し、代謝状態に依存せずにコンフルエンシーを正確に評価する実験系を確立することができた。 また、好中球を用いて傷害を引き起こすのみならず、phorbol myristate acetateによって刺激することによって得たNeutrophil Extracellular Trapsを細胞に一定量添加することで、細胞死が引き起こされることを確認した。この系を用いることによって、実験毎に好中球を単離せずとも細胞障害実験系を作成することが可能となった。 今後、この実験系と代謝評価を組み合わせることで、好中球の代謝パターンと細胞傷害の関係性について実験を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
診療部門の人手不足などを理由として、研究に従事する人材、時間が減少し、進捗が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
実験に割ける時間、人材の不足により研究の進捗が遅れているものの、実験系の構築も進み、今後の研究の方向性についてはフォーカスが定まってきており、今後は進捗状況を加速させることができると考えている。
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Causes of Carryover |
代謝と細胞機能の関連についての解析まで行うことが出来なかったため、次年度使用額が生じた。次年度に、代謝と機能の包括的評価を行うのに使用する予定である。
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Research Products
(3 results)