2023 Fiscal Year Research-status Report
CRT測定条件の標準化と臨床的有用性の確立および高精度CRT測定装置の開発
Project/Area Number |
22K09156
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
齋藤 大輝 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任助教 (80895863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 孝明 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (20375794)
今枝 太郎 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (30598230)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Capillary Refilling Time / ショック / 末梢循環不全 / トリアージ / 多数傷病者 |
Outline of Annual Research Achievements |
Capillary Refilling Time (毛細血管再充満時間, CRT)は,簡便・非侵襲的に得られ,有用性が期待されるショックの指標であるが,従来は目視で測定されるため,高精度の測定が不可能であった.我々はセンサーを用い高精度のCRT測定装置を開発し, 標準測定条件の一部(圧迫力・ 圧迫時間)を明らかとした.しかし,測定体位・測定部位の高さに関しては未だ残された標準的測定条件の課題であったため,本研究ではまずこのことを明らかとし,測定条件の標準化を行った.次に標準化条件で開発した装置を用い患者のCRT測定を行い,CRTの診療での有効性の検証を行う. 測定条件の標準化を目的に,まずは同一被測定者の座位と仰臥位でのCRTの比較,および仰臥位で測定部位である手の高さを変えた測定を行った.座位と仰臥位では同一被測定者においてもCRTに有意差を認め,仰臥位で有意に延長した.仰臥位で手の高さを変えた測定では高さとCRTに正の相関を認めた.続いて,CRTの臨床における有用性を評価するため患者を対象としたCRT測定実験を行っている.外的侵襲のCRTに及ぼす影響を評価するために,開胸を伴う心臓血管手術の前後比較を行い,循環血漿量の変化や体外循環などを受けた後の影響の評価を行った. 心臓血管手術前後の比較で,CRTは明らかに延長している事を確認した.そのため,侵襲に対する反応としてCRTが延長する事を確認した。現在,共同研修者と共にCRT延長に影響を与える因子を解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定手術患者に関するCRT値の収集は一旦終えているものの,検討過程の上で更に敗血症や心不全などの別疾患でのCRT値の変化に関しても検討が必要と考えられたため、合わせて追加のデータ収集を行なっており,共同研究者と共に計画を進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在,共同研究者と共に救急外来患者を対象に症例数を重ね研究を継続中である。 症例を重ね,様々な侵襲(予定手術や内科的疾患など)においてのCRT値を集積し,得られたcut-off値と臨床現場での通常の診療で測定されている項目との比較検討を行い,CRT値と他の臨床指標(血圧・心拍数,乳酸値,輸液量,28日生存など) との間の関連性を探索する.この事で,CRT測定により予測される重症度や予後予測能を明らかとし,実臨床での応用へ繋げていく事が可能となると考える.
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Causes of Carryover |
データ解析・検討過程の上で、更に別疾患でのデータ収集の検討が必要と考えられたため、そのための費用を次年度使用額とした。次年度では、引き続きデータ解析の検討及び、データ収集を行う予定である。
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