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2022 Fiscal Year Research-status Report

網羅的分子生体情報を用いた頭部外傷患者に対する新たな治療戦略の構築

Research Project

Project/Area Number 22K09161
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

中村 洋平  大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任助教(常勤) (80644004)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 清水 健太郎  大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (60379203)
小倉 裕司  大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (70301265)
松本 寿健  大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教(常勤) (70644003)
伊藤 弘  大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (80836594)
戸上 由貴  大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (50866936)
蛯原 健  大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教(常勤) (10813975)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords外傷後てんかん / 網羅的蛋白発現解析
Outline of Annual Research Achievements

2022年度、頭部外傷後の痙攣およびてんかん発作を生じた患者に関して、入院中の血液検体における蛋白発現の違いについて、プロテオーム解析にて検索を行った。痙攣、およびてんかん発作合併の有無については電話および書面での調査を施行した。この結果、頭部外傷患者の中で、外傷後早期痙攣発作(受傷後1週間以内に生じる痙攣発作)を生じた症例は生じなかった症例に比べ53種類の蛋白発現が変化していることが分かった。このうち、up-regulateしていた蛋白が11種類、down-regulateしていた蛋白が42種類であった。一方、頭部外傷後てんかんを合併した症例については、合併しなかった症例に比べ3種類の蛋白発現に変化を認めた。3種類ともにdown-regulateしている蛋白であった。3種類の蛋白はケモカインファミリーの一員であるCCL16(C-C motif chemokine 16)、Angiomotinファミリーの1つであるAMOTL2(Amot-like protein 2)、アンジオポエチン様蛋白のファミリーであるANGPTL2(Angiopoietin-related protein 2)であった。CCL16はオートファジーと炎症反応に密接に関連しているとされ、てんかん発作との関連についての報告はなく、オートファジーとてんかん発症との関連等に関して、今後検証を進める必要がある。AMOT2蛋白質は内皮細胞の形成や遊走、タイトジャンクションの制御に重要な役割を果たしている。AMOT2蛋白質の発現低下が、頭部外傷後の脳内における樹状突起の形成に何らかの影響を与え、てんかん発作の合併に寄与するという仮説は成り立ち得る。ANGPTL2蛋白質は慢性炎症と関連する蛋白で神経細胞の修復にも関与している可能性があり、頭部外傷後の脳組織の修復を阻害し、てんかん発作の合併に寄与しているかもしれない。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2022年度は頭部外傷患者と痙攣、てんかん発作との関連について網羅的生体分子情報解析を行う予定としていた。計画に沿って、頭部外傷後痙攣、てんかん発作を生じた患者を調査し、蛋白発現の解析を行うことが出来た。

Strategy for Future Research Activity

2023年度は頭部外傷と低Na血症の合併に着目し、頭部外傷後に特有の電解質異常と関連する分子生体情報を網羅的に解析する予定である。

Causes of Carryover

本年度、頭部外傷患者のゲノム解析に要した費用が想定より低く、次年度使用額が発生した。次年度の使用計画としては、追加のゲノム解析費用として使用を予定している。

URL: 

Published: 2023-12-25  

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