2022 Fiscal Year Research-status Report
Massive transfusion induced complement activation and its consequent adverse reaction in severe trauma patients
Project/Area Number |
22K09163
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
小網 博之 佐賀大学, 医学部, 准教授 (10465354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪本 雄一郎 佐賀大学, 医学部, 教授 (20366678)
宮庄 拓 酪農学園大学, 獣医学群, 講師 (50568996)
松岡 綾華 佐賀大学, 医学部, 寄附講座助教 (20926167)
品田 公太 佐賀大学, 医学部, 病院助教 (80817429)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 血液型 / 輸血療法 / 大量輸血 |
Outline of Annual Research Achievements |
本プロジェクトは、重症外傷患者に対する大量輸血療法に伴う補体活性化について明らかにするものである。血液型や輸血投与量による輸血効果や生体侵襲の違いに関する2つの後ろ向き研究に加え、救急外来で輸血を行う患者に対するレジストリーを作成し、集積したデータに基づいて行う前向き研究、細胞培養を行い、血液刺激による血管内皮細胞障害を解析するex vivo研究の合計4つで構成されているものである。 1つ目としては、血液型と輸血療法の効果ならびに生体反応に関する後ろ向き研究である。血液型別に輸血後の貧血の改善や凝固障害の改善、血小板数の回復の程度に関して、現在、データ解析を進めているところである。 2つ目は、重症外傷患者の外傷蘇生時に行われる輸血療法の投与方式と輸血効果ならびに生体侵襲に関する後ろ向き研究である。こちらでは、同型輸血や大量同型輸血、異型適合輸血時などの輸血様式の変化により、輸血後の溶血反応の程度や、貧血・凝固能・血小板数の回復などがどれくらい影響があるのか解析しているところである。 3つ目としては、輸血療法を行う救急搬送患者に対する輸血療法と生体侵襲に関する前向き研究である。当初、レジストリー作成を行いながら、検体の保管ならびに測定を協力施設と行う予定であった。現在も、この点に関して、施設間での調整などを行っているところであり、現時点で研究を開始するに至っていない。 4つ目に関しては、輸血に伴う補体活性化と血管内皮細胞障害との関係に関してのex vivo研究である。これは、2023年度より開始する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本プロジェクトにおいて、2022年度に行う予定であった2つの後ろ向き研究については、予定通り開始している。しかし、レジストリー作成については、院内での調整や、協力施設との調整などを行っているが、研究の開始までには至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
2つの後ろ向き研究については、現在、データ解析中であり、今年度中を目標に、データ解析ならびにデータ公表を進めていきたい。 レジストリー研究に関しては、昨年度より調整を進めてきたが、補体関連検査項目の選別、検体の保管、測定するための具体的なフロー作成などを行い、今年度早急に研究開始につなげたい。 さらに、輸血に伴う補体活性化と血管内皮細胞障害との関係に関するex vivo研究についても、今年度より開始する予定であり、基礎研究、臨床研究の双方より輸血と補体活性化の関係について解明を続けていきたい。
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Causes of Carryover |
前年度は、コロナ禍の情勢なども鑑み、本プロジェクトに関する学会参加などの機会を得ることができなかったこと、上記にも述べたが、前向き研究のための準備などに要する費用が未使用であることなどが原因と考えられる。次年度は、前向き研究の準備ならびに研究開始と、ex vivo研究の開始により、予定通りプロジェクトを進めていきたい。
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