2023 Fiscal Year Research-status Report
トランスクリプトーム解析から展開するパターン認識を応用した病態解析法の基盤構築
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22K09164
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
田島 吾郎 長崎大学, 病院(医学系), 准教授 (00437427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上村 恵理 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (20850647)
梅原 敬弘 産業医科大学, 医学部, 准教授 (60617421)
池松 和哉 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (80332857)
田崎 修 長崎大学, 病院(医学系), 教授 (90346221)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 全身性炎症 / 敗血症 / 熱傷 / パターン解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの先行研究でC57BL/6マウスのSham、敗血症モデル(18 G, 25 G針による盲腸結紮穿孔モデル:CLP18,25)、広範囲熱傷モデル(30%, 10%のⅢ度熱傷モデル:Burn30,10)において、受傷24時間後の白血球のRNAシーケンスを施行した。バイオインフォマティクス解析をStrand NGS(Strand Life Sciences Pvt. Ltd., Bangalore, India) を用いて解析をい、NGS後の統計解析で157のmRNAで5群間に有意差を認めた(ANOVA p<0.05)。今年度はGO解析、Pathway解析で抽出した遺伝子群意外にもANOVAで各群間で著明に変化した遺伝子(Ngp, Olfm4, Hspa1b, Cr2, Fcer2a)を抽出して受傷6, 12, 24時間後の全血からRNAを抽出してqPCRを施行した。Ngp, Olfm4の発現は6時間後からCLP, BurnでShamより有意に上昇し, CLPでBurnと比較し有意な上昇を示した(p<0.05) 。また、BurnでHspa1bが著明な上昇を示した(p<0.05)。Cr2, Fcer2aはCLPにおいてSham, Burnより有意な低下を示した(p<0.05) 。各群で6時間後から特徴的な遺伝子発現パターンを示し, 判別分析では各病態を100%判別可能であった。トランスクリプトーム解析で抽出した遺伝子発現パターンによる新たな病態判別法の可能性が示唆された(第51回日本救急医学会総会で発表)。 今後は病態判別にさらに有用な遺伝子を探索して、新たな病態判別法の開発を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動物実験においては、敗血症、熱傷モデルにおけるトランスクリプトーム解析で抽出した遺伝子発現パターンにより病態を判別できることを明かとした。しかし、臨床業務の多忙、マンパワー不足のため、蛋白レベルでの発現パターンの解析と、新たなパターン解析の方法が進められておらず、臨床検体を用いた研究も上記臨床業務の多忙と発熱患者の検体が集まっていないことにより研究が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
マウス敗血症、熱傷モデルにおいてトランスクリプトーム解析で抽出した遺伝子発現パターンにより病態を判別できることを明らかとしたが、今後はNGSで網羅的に探索した結果より新たな病態に特徴的なマーカーの探索とパターン解析の新たな方法の検討を行っていく予定である。また、蛋白発現についても測定系を確立して測定を進めていく。また、臨床検体の収集を進めて、発熱患者の末梢血白血球における遺伝子発現について、動物モデルと同様に解析を進める予定である。
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Causes of Carryover |
バイオインフォマティクス解析による新たな遺伝子探索、蛋白発現の測定実験が進まなかったこと、また、発熱患者の臨床検体を用いた測定が遅れているため、次年度使用額が生じた。臨床検体を用いた遺伝子発現の測定をすすめるとともに、動物実験では新たな遺伝子、蛋白発現の測定のため、RNA抽出キット、PCRのプライマー、蛋白測定のための抗体、消耗品、各種測定キットなどに使用する予定である。また、成果発表のための学会費、旅費にも使用予定である。
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