2023 Fiscal Year Research-status Report
Bone and morphological characteristics of fragility fractures of the pelvis and acetabulum in the elderly
Project/Area Number |
22K09171
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
鈴木 卓 帝京大学, 医学部, 教授 (90348516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 欣忍 帝京大学, 医学部, 教授 (00295651)
乾 貴博 帝京大学, 医学部, 助手 (10724213)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 脆弱性骨盤輪骨折 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、骨粗鬆症を背景に立位レベルからの転倒による高齢者の脆弱性骨盤輪骨折が急増し、日常診療上大きな問題となっている。特に腸骨が骨折するRommens分類3a型の発生メカニズムは不明な点が多い。本研究の目的は、有限要素解析(CT/FEA)を用い、大腿骨転子部または坐骨に荷重負荷を与えたモデルを作成し、腸骨にどのようなひずみが生じるかを明らかにすることである。 解析対象は、患者モデルとして脆弱性骨盤骨折Rommens 3a型患者1名および、健常者モデルとして若年者寛骨臼後壁骨折患者1名の画像データを用いた。0.5mm厚CT volume dataを解析ソフト(MECHANICAL FINDER;(計算力学研究センター))に取り込み、非骨折側の半骨盤・大腿骨モデルを作成した。実験1:側方転倒を模した。大腿骨を中間位とし、仙骨部を完全拘束し、恥骨は恥骨結合を模したキューブを介して完全拘束し、大腿骨は頚部軸に沿った動き以外を拘束した。腸骨の解析のため、大腿骨・仙骨を非破壊条件とした。大転子外側から頚部軸に平行に2000Nで荷重し腸骨要素の破壊分布を比較検討した。実験2:後方転倒を模した。大腿骨は拘束せず、仙骨部を完全拘束とし、坐骨結節下端より後柱軸方向に平行に2000Nで荷重し腸骨要素の破壊分布を比較検討した。 実験1:患者モデルでは恥骨上枝と、腸骨稜から仙腸関節に向かう要素の破壊がみられ、Rommens 3a型と類似した分布が確認された。健常者モデルは連続した骨破壊はどの部位にも生じなかった。実験2:健常者・患者モデルいずれも、坐骨荷重部の要素破壊は生じたが、腸骨骨折を誘発する要素の破壊は生じなかった。 本研究で開発したCT/FEAモデルでは、高齢者脆弱性骨盤骨折のRommens 3a型に類似した腸骨骨折は大腿骨転子部を介した側方外力で生じる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
腸骨骨折のモデルを有限要素解析で再現しようとしている。すでにいろいろな条件をかえて3名の患者で計20回の試行をおこなっているが、臨床的な骨折に見合う状況を再現できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
股関節の姿位を変更することにより、腸骨骨折の再現をさらに追及する。有限要素解析で再現性のある条件を確立することを目指す。
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Causes of Carryover |
研究成果をもとに、雑誌投稿および研究会発表をする予定。
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