2022 Fiscal Year Research-status Report
重症患者における胃腸電図測定方法の確立と腸管免疫保護バンドルの介入の効果
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22K09177
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
星野 哲也 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (00621921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下條 信威 筑波大学, 医学医療系, 講師 (20462210)
榎本 有希 筑波大学, 医学医療系, 講師 (30649231)
井上 貴昭 筑波大学, 医学医療系, 教授 (60379196)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 胃腸電図 / 消化管機能異常 / 重症患者 / 集中治療室 |
Outline of Annual Research Achievements |
集中治療患者は重症病態や治療そのものの影響で胃腸運動機能障害が起こるが、日常診療において客観的に評価することが困難である。非侵襲的に胃腸運動機能を評価できる胃腸電図があるが、重症患者に対して測定した研究はほとんどない。そのため、胃腸電図の測定方法を確立し、重症患者において胃腸電図を用いて胃と小腸の電気活動を測定し、重症患者の胃腸運動機能を客観的に評価することとした。 予備研究として、胃腸電図の測定方法を確立するために、健常人ボランティアを対象に胃腸電図を用いて、食事前後に胃および小腸の電気活動を同時に測定した。得られた胃腸電図に対してパワースペクトル解析を行い、Dominant Frequency(DF)、Dominant Power(DP)を算出した。その結果、摂食後において胃および小腸のDFには変化はなかったが、DPの有意な増加を認めた。 次いで集中治療室の重症患者を対象に、経腸栄養前後に胃腸電図を用いて胃および小腸の電気活動を同時に測定した。予備研究で得られたデータを対照群としてDF、DPを比較した。その結果、重症患者は対照群よりもDFの異常が多く、摂食前および摂食後のDPが有意に低いことを明らかにした。さらに、重症患者では摂食前後のDPに有意な増加は認められなかった。これらの結果から、重症患者において胃腸電図は測定可能であり、重症患者は健常人よりも胃腸運動機能が低下していることを明らかにした。 また、重症患者における便秘や下痢などの消化器症状と、胃腸電図との関連を調査するための予備研究として、集中治療室の重症患者において急性期である早期発症の便秘および下痢の発生率を後方視的に観察した。その結果、重症患者の55%が早期発症の便秘を、14%が早期発症の下痢を発症し、早期発症の下痢は集中治療室の滞在期間の長期化と有意に関連していることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度に計画していた研究内容も実施できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
予定している治療介入により胃腸電図の変化をみる、介入研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
当初予定していた、腸電図の本体の購入が不要となったため。 データ収集用のPCの購入および旅費に充てる予定である。
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