2023 Fiscal Year Research-status Report
非閉塞性腸間膜虚血に対する水素ガス吸入療法の治療効果の解明
Project/Area Number |
22K09188
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
田中 保平 自治医科大学, 医学部, 助教 (30835822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 洋輔 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任助教 (00466707)
間藤 卓 自治医科大学, 医学部, 教授 (90251248)
伊澤 祥光 自治医科大学, 医学部, 准教授 (90565699)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | NOMI / hydrogen inhalation |
Outline of Annual Research Achievements |
非閉塞性腸間膜虚血(NOMI)は腸の灌流障害であり、重篤な死亡率をもたらす。局所血管拡張薬投与などの従来の治療法にもかかわらず、NOMI患者はしばしば外科的切除が必要であり死亡率も高い。そのような疾患に対する治療方法確立が急がれるが、そもそも、NOMIに対する動物実験モデルも確立されていない。そこで我々はNOMI animal modelを瀉血と昇圧剤の全身投与および昇圧剤の局所投与を用いて作成した。作成したNOMI animal modelを用いて、近年虚血再灌流障害への有効性が示唆されている水素吸入療法の有効性と安全性を検討した。 方法:全身麻酔下の豚8頭を用い、上腸間膜動脈(SMA)にノルエピネフリン全身投与とエピネフリン局所注入を併用した。27%血液量の瀉血を併用することでNOMI animal modelを作成した。腸間膜虚血は、腸漿膜の肉眼観察、バイオマーカー(血液ガス分析、乳酸、8-OHdG)、病理検査、CTで評価した。 結果 :コントロール群(n=4)と水素群(n=4)を検討した。すべての動物は実験終了まで生存した。背景因子に両群間の有意差はなかった。水素投与群の乳酸値はコントロール群と比較して有意差はないもののやや低値傾向を示した。pH、BE、カリウム値は両郡間で有意差はなかった。8-OHdG値の中央値にも両郡間で有意差はなかった。病理学的な検討では腸管粘膜の壊死程度や絨毛長は両郡間で有意差はなかった。 結論:水素吸入療法は、腸間膜虚血の緩和において有意な有効性を示さなかったが、従来の治療法との併用における有効性と安全性を評価するための今後の研究が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在NOMIモデル作成に関する論文を現在acute medicine & surgeryへ投稿・査読中である。 NOMI animal modelに対する水素吸入療法の有効性と安全性について、動物実験は4頭ずつ終了しており、現在学会発表準備および論文投稿準備を行なっている
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度はNOMI animal modelにおける水素吸入療法の有効性と安全性に関する学会派票(2024ICEM)と論文発表をする予定である
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Causes of Carryover |
2024年度に学会発表および論文発表を予定しているため、学会発表渡航費、論文作成費用(英文校正や投稿料)が生じる予定です。
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