2023 Fiscal Year Research-status Report
悪性脳腫瘍に対するヒト脱落乳歯歯髄幹細胞を用いた新規腫瘍溶解ウイルス療法
Project/Area Number |
22K09204
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
小泉 慎一郎 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (10456577)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒住 和彦 浜松医科大学, 医学部, 教授 (20509608)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | ヒト脱落乳歯歯髄幹細胞 / 腫瘍溶解ウイルス / グリオーマ幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
[SHED-OVのreplication assay]:前年度の実験において、SHED-OVはOV単体より優れた抗腫瘍効果を持つことが示唆された。この機序を調べるため、SHED-OVとU-87 MG-Luc2を共培養したもの、U-87 MG-Luc2にOV単体を感染させたものの培地上清をそれぞれ回収し、plaque assayを行いOV力価測定を行った。結果は、SHED-OVの上清の方が早くOV力価が上昇しており、SHED-OV内でOV量が増えることで優れた抗腫瘍効果を持つことが示唆された。[SHED-OVのmigration assay]:SHED-OVも、naïve SHEDと同様に腫瘍に対する遊走能を維持しうるかどうか確認するため、Matrigel invasion chamberを用いてmigration assayを行った。U-87 MG Luc2をserum freeの培地で培養したのちの上清の培地をconditioned medium (CM)として、serum freeの培地をコントロールとして使用して遊走細胞数を比較した。結果として、SHED-OVはCMにおいて有意に遊走した細胞数が多く、in vitroにおいてnaive SHEDと同様に腫瘍への遊走能を持つことが示唆された。[SHED-OVと他の間葉系幹細胞-OVの比較]:過去の文献でOVのベクターとして使用された実績が間葉系幹細胞にOVを感染させ、SHED-OVとin vitroにおける抗腫瘍効果の比較を行った。結果として、SHEDは他の間葉系幹細胞と比較して遜色ない効果を持つことが示唆された。[比較用のOVのセットアップ]:HSV-P10およびRAMBOと異なり、治療遺伝子を導入されていないOVであるHSVQをアフリカミドリザル腎臓由来のVero細胞に感染させ、ウイルスの複製・増殖を行った。複製したOVはスクロース遠心で精製し、他の実験に使用できるようにストックを作成した。[SHED-OVの脳腫瘍マウスモデルに対する効果検証]:U-87 MG-Luc2を移植したモデルマウスに対しSHED-OVを投与する実験を行った。現在、結果検証中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画調書に記載した内容に概ね沿って実験することができ、また進度としても比較的順調に進行することができていると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
In vitroにおけるSHED-OVの抗腫瘍効果および腫瘍に対する遊走能などの検証を概ね実行でき、引き続きin vivoでの効果検証を主体に研究を推進する。U-87 MG-Luc2モデルマウスに対してSHED-OVを投与して生存期間観察を行い、bioluminescenceによる評価や組織標本による評価を行う。また、グリオーマ幹細胞モデルマウスに対する治療効果も検証する。
|
Causes of Carryover |
実験の不手際なども考慮し複数回の繰り返し実験を計画し、物品費を計上したが、不手際がなくスムーズに施行できたため、計上額より少なく済んだため、次年度使用額が生じた。
|