2023 Fiscal Year Research-status Report
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22K09219
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
齋藤 紀彦 東邦大学, 医学部, 准教授 (60459766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長田 拓哉 東邦大学, 医学部, 准教授 (40303242)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 膠芽腫 / アロマ / 新規治療 / ツヨプセン |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度はツヨプセンの抗腫瘍作用を解明すべく、下記の研究を行った。 1)ツヨプセンの新規標的タンパクの同定:Drug affinity responsive target stability (DARTS) 法を用いてツヨプセンと結合する細胞内タンパクを同定する。膠芽腫細胞の細胞溶解液にツヨプセンを加えて反応させ、この溶液にthermolysinを加えて37度で30分incubationし、DARTS反応を行い、SDS-PAGEによる解析を行う。このうちツヨプセンと反応して細くなったバンドを切り出してnano-LC-MS/MS解析を行い、ツヨプセンの結合タンパクを同定する。その結果としてMARK42が同定され、ツヨプセンの標的タンパクと推測された。 2)ツヨプセンの抗腫瘍アロマとしての可能性を検討するために、ツヨプセンの蒸散成分における抗腫瘍効果の評価を行った。ツヨプセン溶液(0.001g in 0.1ml)を96 well platesの端のwellに入れ、その溶液と触れない様に他のwellに膠芽腫細胞を入れて24時間反応させたところ、アスナロ精油と同様の増殖抑制効果が得られた。 3)マウス脳腫瘍モデルによる抗腫瘍効果の検討:マウス膠芽腫細胞であるRSV-MをC3Hマウス脳に定位的注入したマウス脳腫瘍モデルを作成し、アスナロ精油の抗腫瘍効果を検討した。脳腫瘍モデルマウスに対してアスナロ精油を1日12時間吸入させた群は対照群と比べ有意に生存期間の延長を認めた。また、形成された腫瘍サイズも縮小しており、アスナロ精油による抗腫瘍効果が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通り、動物実験まで行うことができ、研究は順調に進展している。研究計画ではヌードマウスを使用する予定であったが、実験設備の面からC3H系マウスを用いる実験に変更したが、特に問題なく施行可能であった。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点まで研究は順調に進行している。 本年度は、動物実験を行いアスナロ精油の脳内濃度を測定し、脳への移行性や至適投与濃度を検証する。 さらに令和5年度に発見した新規標的タンパクを解析し、作用機序の解明を行う予定である。
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Causes of Carryover |
購入予定していたウェスタンブロット関連装置が設置場所の問題から、2023年度内に購入ができなかった。そのため次年度使用額が生じてしまった。 本年度は早急に購入し研究を遂行するとともに、国際学会(29th Annual Meeting and Education Day of the Society for Neuro-Oncology)での発表を予定しており、出張費として使用する予定である。
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[Presentation] 膠芽腫に対するレモングラス精油による抗腫瘍アロマ療法の開発2023
Author(s)
齋藤紀彦, 平井希, 小屋原優輝, 佐藤詳, 平元侑, 藤田聡, 中山晴雄, 林盛人, 伊藤圭介, 櫻井貴敏, 岩渕聡
Organizer
第41回日本脳腫瘍学会学術集会