2022 Fiscal Year Research-status Report
BNCT用ホウ素薬剤BPAの溶解度向上による治療効果改善を目指した製剤学的研究
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22K09246
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
白川 真 福山大学, 薬学部, 講師 (40707759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 啓 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (50436284)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ホウ素中性子捕捉療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
新規イオン液体(IL)の合成において、すでにヒトに応用されている生体適合性の高い物質に限定し、網羅的に合成を行った結果、イオン液体を構成するカチオン物質としてコリンおよびメグルミン、アニオン物質として各種アミノ酸やクエン酸、アスコルビン酸、ニコチンアミドなどをそれぞれ用いて生体適合性イオン液体を合成することに成功した。イオン液体の同定にはフーリエ変換赤外分光光度計 (FT-IR) 、プロトン核磁気共鳴装置 (1H-NMR) および高感度示差走査熱量計(DSC)を用いた。FT-IRにおいて、イオン液体のみがカチオン物質やアニオン物質と異なり、1500cm-1~1700cm-1付近にピークが確認された。また、DSCにおいて、得られたイオン液体が20℃から110℃までの範囲で熱分解が起きていないことが確認された。 次に各イオン液体へのBPAの溶解性を確認した結果、特にメグルミンとセリン(Meg-Ser IL)、メグルミンとプロリン(Meg-Pro IL)、コリンとプロリン(Cho-Pro IL)において、臨床応用されているBPA製剤(フルクトースおよびソルビトールとの糖錯体)の溶解度(2.6 w/v%)と比較して10倍以上の顕著な溶解度の向上(>34 w/v%)が得られた。 次年度以降、これらのイオン液体を溶媒としたBPA製剤に関して、in vitro, in vivoにおける毒性の有無や、中性子線照射による抗腫瘍効果を確認する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2022年度計画における各種実験項目(新規イオン液体の合成、溶解度試験)を予定通り行い、優れたBPAの溶解度を達成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
計画は順調に進展しており、2023年度においても計画通り進めて行くことを第一課題とする。
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Causes of Carryover |
筑波大学の加速器が使用できない状況にあるため、次年度への繰越となった。
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Research Products
(7 results)