2022 Fiscal Year Research-status Report
免疫細胞の加齢による腫瘍微小環境の変化とその制御による膠芽腫治療法の開発
Project/Area Number |
22K09261
|
Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
八幡 俊男 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 助教 (40380323)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上羽 哲也 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (00314203)
東 洋一郎 高知大学, 教育研究部医療学系基礎医学部門, 講師 (80380062)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 膠芽腫 / 加齢 |
Outline of Annual Research Achievements |
原発性脳腫瘍のうち悪性度の最も高い膠芽腫は、放射線治療や化学療法に対して強い抵抗性を示し、免疫メカニズムからも逃避している。この腫瘍を根絶させるためには、周辺免疫細胞を含む腫瘍微小環境を制御する革新的な治療法の開発が必要である。本研究は、腫瘍随伴マクロファージ(TAM: tumor-associated macrophage)とミクログリアの加齢が、膠芽腫の腫瘍微少環境やがん幹細胞へ与える影響を解明し、その影響を制御することによって膠芽腫の治療効果を向上させることを目的とする。今年度は、マウス脳腫瘍モデルを用いて、脳の加齢の造腫瘍性やその微小環境に対する影響を解析する系の確立を進めた。生体内イメージングと脳組織の解析を効率化するためにルシフェリンを基質として発光するルシフェラーゼ遺伝子と蛍光タンパクであるmCherry遺伝子をコードしたレンチウイルスベクターを構築し、マウス神経膠腫細胞GL261とヒト膠芽腫幹細胞3株に遺伝子導入後、細胞株を樹立した。樹立したGL261(GL261-luc/mCherry)細胞を同系マウスであるC57BL/6の脳内または皮下に移植し、造腫の増殖を生体内イメージングにより経時的に観察し、約4-5週後には組織学的解析により腫瘍組織を解析し、腫瘍の生着が確認出来た。また、より強い造腫瘍性と実際の腫瘍組織像や病態像に近いモデルの構築を目指して、このGL261細胞をスフェア培養し、幹細胞を多く含む培養細胞を分離した。この系を用いて若年マウスと老齢マウスにおける腫瘍組織の形成過程や腫瘍周辺組織の差異を解析する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
老齢マウスが供給メーカーから予定通り入手することが出来なかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
老齢マウスの入手が困難である場合、早期に自己飼育により老齢マウスを準備することも考慮している。また、臨床サンプルを用いた解析を積極的に進めることも必要であると考えている。
|
Causes of Carryover |
消耗品の入手が一部困難であったために残予算が生じた。残額は次年度に試薬消耗品費として使用する。
|
Research Products
(3 results)