2022 Fiscal Year Research-status Report
脳神経外科手術におけるb-FGF徐放化光ゲル化剤の有用性の検証と開発
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22K09293
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
大谷 直樹 日本大学, 医学部, 准教授 (20573637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 正岳 日本大学, 歯学部, 教授 (10231896)
櫛引 俊宏 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 医用工学, 准教授 (30403158)
石原 美弥 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 医用工学, 教授 (30505342)
吉野 篤緒 日本大学, 医学部, 教授 (50256848)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | CSF leakage / traumatic brain injury / hemostasis |
Outline of Annual Research Achievements |
創傷治癒促進作用を有するbasic fibroblast growth factor (b-FGF)含有徐放化ゼラチンを用いた光ゲル化剤(b-FGF徐放化ゲル化剤)を新規開発した。生体内で負電荷を有する酸性ゼラチンと正電荷を有するb-FGFを静電的に相互作用させ、ゼラチンハイドロゲルの生体内での分解に伴いb-FGFが徐放化され、局所でb-FGFの有効濃度を保つ利点がある。従来のゲル化剤に比べて創傷治癒促進機能の優位性が期待される。髄液漏動物モデルを作成して、硬膜切開部を光ゲル化剤で被覆して色素の漏出の有無をデジタル記録機器で動画撮影記録した。さらに処置30分後に灌流固定して組織評価することでゲル化剤とくも膜・脳軟膜との密着の程度、親和性を確認している。現在、慢性期(2週間、1か月、3か月後)においてHE染色や各種の免疫組織学的評価を行い、局所の炎症反応や治癒過程、脳表への炎症の波及の有無などゲル化剤の及ぼす影響を検証している。脳表における光照射の安全性評価を目的に、脳組織の炎症やアポトーシスを評価している。さらに静脈・動脈性出血モデルを作成して、圧迫止血群、10-0糸による縫合群、本ゲル化剤による被覆群を作成し、各群間で止血効果を慢性期も含めて組織学的評価している。ここまでの本実験内容については、脳神経外科関連の学会において学会発表する予定である。今後、静脈止血や動脈止血効果について、さらに止血効果の改善を目的とした光ゲル化の条件設定、すなわち、光照射時間の短縮、固化による止血力の増強に関して条件設定をする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ラットを用いたモデル作成も順調に行っており、組織学的評価もすすんでいる。当初の予定ではすでに組織評価まで終了し、データ解析を行っている予定ではあったものの、コロナ渦による研究集会の停止や、研究室の制限などの予定外の実験遅延に関与する事案があったため少々遅れ気味ではあったが、コロナ渦の制限解除に伴い、進めている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在進行している、組織評価をすすめるとともに、慢性期の組織評価も解析していく方針である。さらに、光ゲル化剤の条件設定を改善しつつ、より簡便・短時間でゲル化する条件を探索する。動脈止血が可能なゲル化剤の固化までの時間短縮と止血効果の改善をすすめる予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ渦による実験棟への入所制限、ならびに動物棟の入室制限、さらには研究員の不足などに伴い実験予定が大幅に遅延した。さらに試薬購入においても納入に時間が費やされたために購入が遅れたなどの理由である。しかしながら、急性期の有効性は示すことが出来たため、今後は慢性期実験をすすめるに際して、さらに動物を必要分、購入する予定である。さらに光ゲル化剤の条件設定のために必要な消耗品を購入する必要がある。
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