2022 Fiscal Year Research-status Report
脊椎腫瘍に対する凍結融解壊死治療の安全性の確立および脊髄保護対策
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22K09303
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
出村 諭 金沢大学, 附属病院, 准教授 (00348228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 源哉 金沢大学, 附属病院, 医員 (00910572)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 脊椎腫瘍 / 凍結治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
長時間凍結における脊髄低温障害の検討 本年度、20分のCryoablationモデルを3匹、30分のCryoablationモデルを2匹作成し上記に関する検討を行った。 20分のCryoablationモデルにおけるそれぞれの個体の最低硬膜外温度は2℃、6℃、8℃であった。凍結終了時(凍結開始後20分)3個体全てで、Sp-CMAP、 Sp-SCEPいずれにおいても異常波形を認めたが、復温に伴いSp-CMAP、Sp-SCEPの異常波形は回復した。復温後(凍結開始後2時間)、3個体全てにおいて波形は正常であり、全個体で術翌日の運動障害を認めなかった(Modified Tarlov scale 5点)。また病理学的評価においても明らかな脊髄低温障害を示唆する所見を認めなかった。 30分のCryoablationモデルにおける2個体の最低硬膜外温度はそれぞれ‐8℃、0℃であった。凍結終了時(凍結開始後30分)2個体いずれにおいても、Sp-CMAP、Sp-SCEPにおける異常波形を認めた。復温後(凍結開始後2時間)、最低硬膜外温度が0℃であった個体ではSp-CMAP、Sp-SCEPにおける異常波形は正常化したが、最低硬膜外温度が-8℃であった個体の左Sp-CMAPの回復は不良であった。(SCEP波形、右Sp-CMAP波形は復温後回復した)。最低硬膜外温度が0℃の個体では術翌日の運動障害を認めず、病理学的評価でも異常を認めなかった。一方で最低硬膜外温度が-8℃となった個体では術翌日に左後肢運動麻痺を認め(Modified Tarlov scale 3点)、病理学的評価でも左前索、左側索有意の脊髄低温障害の所見を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現時点ではサンプル数はやや少ないが、長時間Cryoablationモデルの作成の手技は完成しており、今後は比較的短時間で目標のサンプル数に達することができると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は、長時間凍結における臨界点評価を完了した上で、腰髄における臨界点評価、遮蔽物挿入下における脊髄保護効果の検討をおこなっていきたい。
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Causes of Carryover |
研究はおおむね順調に推移しているが、脊髄保護のためのデバイスの検討に時間を要しており、次年度以降に予算を計上し研究を計画している。
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