2022 Fiscal Year Research-status Report
骨変性部位の目印「dig-hereシグナル」を認識する破骨細胞特異的受容体の探索
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22K09305
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
藤田 洋史 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (20423288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小渕 浩嗣 岡山大学, 医歯薬学域, 講師 (10304297)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 破骨細胞 / ゲノム編集 / Dig-hereシグナル受容体 / 変性骨 |
Outline of Annual Research Achievements |
私たちは、変性した骨組織を除去する機構を明らかにするために、破骨細胞が変性骨を認識する受容体を持っていると仮説をたてた。 本年度は、この仮説をin vivoで立証するために、候補受容体のノックアウトマウスの作製を試行した。そして、複数ある候補受容体のうちの2つの受容体についてシングルノックアウトマウスとダブルノックアウトマウスの樹立に成功した(C57BL/6マウスバックグラウンド)。 また、これらのシングルマウス系統より骨髄を採取し、骨髄マクロファージを誘導後、破骨細胞の分化を誘導した結果、1つの系統において分化が強く促進された。加えて、ダブルノックアウトマウスの骨髄マクロファージからの破骨細胞分化についても、分化が強く促進された。一方、ダブルノックアウトマウスのマイクロCTを用いた骨形態解析の予備実験では、8週齢の時点で、顕著な影響は認められなかった。このことから候補受容体のうちの少なくとも一つは、in vitroにおいて、破骨細胞の分化を抑制している分子であることが示唆された。現在、変性した骨組織の認識に関与しているかどうかin vivo解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
KOマウス2系統、DKOマウス1系統の合計3系統について樹立に成功した。また、in vitro解析についても上述のように興味深い結果を得ている。in vivo解析については、一部結果を得ているが、今後データの蓄積を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、系統樹立後の骨粗鬆症誘導と酸化ストレス誘導、大腿骨のCT解析を行い、Dig-hereシグナル認識受容体候補分子の機能解析を順次行う予定である。また、そのほかの候補分子についてもゲノム編集によるKOマウスの作製を試行する。
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Causes of Carryover |
試薬費用を節約できたため次年度使用額が生じた。物価高騰のため動物飼育施設費が上昇しており、次年度は、ゲノム編集マウス作製維持費が予定より増えると見積もっている。そのため、飼育費などが増える予定であり、次年度へ繰り越して、これに充てることとした。
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Research Products
(5 results)