2023 Fiscal Year Research-status Report
骨変性部位の目印「dig-hereシグナル」を認識する破骨細胞特異的受容体の探索
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22K09305
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
藤田 洋史 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (20423288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小渕 浩嗣 岡山大学, 医歯薬学域, 講師 (10304297)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 破骨細胞 / ゲノム編集 / Dig-hereシグナル受容体 / 変性骨 |
Outline of Annual Research Achievements |
変性した骨組織を除去する機構を明らかにするために、私たちは破骨細胞が変性骨を認識する受容体を持っていると仮説を立て、その受容体の探索を行なっている。昨年度までに、候補受容体の2分子についてシングルノックアウト(KO)マウスとダブルノックアウト(DKO)マウスの樹立に成功し、破骨細胞分化への影響と骨組織の形態について明らかにしていた。 本年度は、破骨細胞の形成と機能に関する詳細な解析をin vitroで行った。その結果、候補分子AのKOは分化を促進して破骨細胞数を増加するが、破骨細胞数の増加に伴った吸収窩の増加は認められなかった。骨吸収に関わる遺伝子発現を解析した結果、候補分子AのKOは、Cathepsin KやV-ATPaseの遺伝子発現は影響を与えないことが明らかとなった。これらの結果は、破骨細胞あたりの骨吸収活性が低下していることを示唆した。 Cell image analyzerを用いた解析では、細胞内小胞輸送に関わるRab5と、lysosomeとplasma memnbraneに局在するLAMP4の発現は低下する傾向が認められた。 候補分子Aは分化と吸収の両方に関与することが明らかにすることに成功し、現在、その分子メカニズムを解明するため、解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述のように、候補分子Aは受容体であり、骨吸収に促進的な分子であることが明らかとなった。これは、私たちが明らかにしたいと考えている、骨吸収する場所を決定して、吸収を進める分子機構の一部を説明する分子である可能性が少なくなく、大きな進展と言える。急激な骨破壊を伴う疾患モデルでのin vivo解析のデータを現在蓄積している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、系統樹立後の骨粗鬆症モデルとLPS骨破壊モデルの解析を行い、Dig-hereシグナル認識受容体候補分子の機能解析を順次行う予定である。また、そのほかの候補分子についてもゲノム編集によるKOマウスの作製を試行する。
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Causes of Carryover |
動物飼育費用を節約できたため次年度使用額が生じた。次年度は、試薬価格の上昇により細胞培養関連費用が増えると見積もっている。そのため、次年度へ繰り越して、これに充てることとした。
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Research Products
(3 results)