2022 Fiscal Year Research-status Report
膜タンパク陽性エクソソームによる脊柱靱帯骨化の疾患活動性評価法の開発と機能解析
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22K09327
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
中嶋 秀明 福井大学, 学術研究院医学系部門, 講師 (10397276)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 脊柱靱帯骨化症 / エクソソーム解析 / 疾患活動性評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
脊柱靱帯骨化症(黄色靱帯骨化症+後縦靱帯骨化症)の手術で採取した骨化標本を用いて培養細胞を作成した(n=3)。初代培養細胞の上清からエクソソームを15-30μg/1検体程度回収することが可能であった。コントロールとして、非骨化靱帯(黄色靱帯+後縦靱帯)由来培養細胞の上清から回収したエクソソームを10-15μg/1検体程度回収した(n=3)。脊柱靱帯骨化症由来培養細胞に比べ、コントロール症例ではエクソソーム解析に必要な量の抽出が困難であった。脊柱靱帯骨化症由来エクソソームからは多くの因子が分泌されていることが予想された。3比較検体を用いてエクソソーム解析を行い、脊柱靱帯骨化症由来サンプルで2倍以上の発現もしくは1/2以下の発現の因子を抽出した。 脊柱靱帯骨化の発生・伸展・疾患活動性に関与すると考えられるpathwayや因子を複数同定した(未発表データのため具体的には明記せず)。骨制御関連因子についてはさらに詳細な検討を加え、これまでの発表データとの比較検討を行った。 上記の作業から、今後バイオマーカーの候補となりうる蛋白を絞り込むことが可能であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り複数検体のエクソソーム解析に成功し、候補因子を絞り込む作業が完了している。
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Strategy for Future Research Activity |
脊柱靭帯骨化由来サンプルでは個体差が大きいため、骨化の程度の違いによるサンプル採集を追加で行い、これまでのエクソソーム解析結果の妥当性を評価する。その後、実際の組織標本や動物モデル等での発現解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
補助事業の誠実な執行に努めた結果、当初計画より経費の使用が節約できたことにより未使用額が生じた。 当該未使用額を次年度に持ち越して追加の試薬・抗体・消耗品等購入する。
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