2023 Fiscal Year Research-status Report
腱に含まれる弾性線維役割の解明:老化・創傷治癒での機能を検証
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22K09335
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
佐々木 隆子 大分大学, 医学部, 客員研究員 (30133193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花田 克浩 大分大学, 医学部, 講師 (90581009)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 細胞外マトリックス / 腱 / fibulin-4 / 創傷治癒 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞外マトリックスタンパク質であるfibulin-4は弾性線維形成に必須のタンパク質であるばかりでなく、コラーゲン分子の架橋に関与することにより、コラーゲン線維形成にも重要な寄与をしている。本研究ではコラーゲン線維が主成分である腱において弾性線維が腱の形成ならびに機能維持にどのように関わっているかを知るため、fibulin-4に着目して解析を遂行している。 Fibulin-4 欠損マウスでは、胎生期18日ごろから前肢拘縮が観察されたが、fibulin-4の腱・靭帯特異的欠損マウスでは観察されなかった。このマウスから分離した腱細胞ではfibulin-4の産生が認められないが、腱組織のウェスタンブロットでは微量のfibulin-4が検出されることから、腱細胞以外から供給されるfibulin-4によって前肢拘縮の発現が抑制されていると考えられる。しかし、fibulin-4量の低下により腱の強度の低下が観察される。fibulin-4がどのように腱の強度に寄与しているかを解明すべく、腱の機能保持に重要であると報告されている細胞外マトリックスタンパク質のいくつかに焦点を置き、fibulin-4との結合性ならびにfibulin-4欠損に伴うそれらタンパク質の局在等について解析を行ったが、まだ結論に至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ほぼ当初の計画通りに解析は進んでいるが、予想された結果と異なるところがあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
腱の機能維持にどのようにfibulin-4が関与しているかを解明すべく、fibulin-4の腱・靭帯特異的欠損マウスとコントロールマウスから採取した腱の生化学的解析を中心に研究を遂行する。
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Causes of Carryover |
学会開催地が近かったので、使用額が抑えられた。また、市販の抗体の中には使用に適さないものも多く、購入するよりは自分で作製することにし、まず抗原の準備を始め、来年度に免疫を依頼することとした。
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