2022 Fiscal Year Research-status Report
生体吸収性樹脂(u-HA/PLLA)に対する機械的および科学的表面処理効果の検証
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22K09354
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
今出 真司 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 講師 (10581077)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 生体吸収性ネジ / プラズマ表面処理 / 表面粗さ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は表面処理の条件出しを中心に実施した。物理的粗さ処理について、過去の研究成果から平均粗さ0.015mmを選択した。加工手法は引き続く生体実験への移行を加味し、円筒に対する旋盤を用いた表面切削を選択した。バイトは自作(SUS304,R≒0.03)し、φ5mm円筒u-HA/PLLAに対し表面処理を施した。切削条件は切削速度500rpm、送り速度0.1mm/rev、切込み深0.06mmとし、深さ0.06mm、ピッチ0.1mmの粗さを狙った。処理後、レーザー共焦点顕微鏡(OLS5100)を用い加工精度を評価した。結果、ピッチは概ね安定しているものの、深さは期待底面(深さ0.06mm)からさらに深い亀裂様の溝が形成されており、u-HA/PLLAでは切削条件を更に探索する必要がある。 また並行しプラズマ表面処理における条件検索を行った。アルゴンガスプラズマを採用し、照射時間を変えて表面処理を実施後、実臨床への応用を企図して滅菌処理(EOG滅菌)を行った。処理効果判定は濡れ性で評価した。処理時間はノズル下を通過する速度で規定した。まずは平滑なシート材を対象とし評価した。結果、精製水接触角度は90度から40度へ変化し親水性の向上を確認できた。次いで生体実験への応用を加味し円筒に対する処理効果検証を実施し、評価には表面エネルギー値を確認する試薬(ダインペン)を用いた。その結果、処理前の表面エネルギーに比較しプラズマ処理+滅菌処理後にはエネルギーは上昇し一定の親水性向上が確認できた。また本効果は半年以上経過しても維持されていた。 加えて、上記処理搭載予定である新型u-HA/PLLAネジの臨床成績を調査し学会において公開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
表面処理の調整に時間を要したものの、概ね終了した。当初予定していた生体外での細胞生着および遊走実験は未遂であるものの、来年度速やかに実施する見通しがついている。加えて生体内実験の準備は順調に進捗しており、来年度予定通り実施できる見込みである。本研究成果を搭載する予定である、新型u-HA/PLLAネジ(Osteotrans Plus LRT)の臨床成績は順調であり、実験成果の速やかな社会実装へ向けた進捗も順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
現段階において大きな計画変更を要する事象は生じていない。予定通り進めていく。
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Causes of Carryover |
予定していた細胞を用いた生体外実験が未遂であり、そのた次年年度使用額が生じた。 来年度速やかに実施できる環境にあり、計画上大きな変更は必要ない。
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