2022 Fiscal Year Research-status Report
金属結合蛋白メタロチオネインの破骨細胞分化と機能解明と骨粗鬆症治療への応用
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22K09359
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤原 稔史 九州大学, 大学病院, 助教 (20644800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 悟郎 九州大学, 歯学研究院, 助教 (00722828)
松本 嘉寛 九州大学, 医学研究院, 准教授 (10346794)
遠藤 誠 九州大学, 大学病院, 講師 (40713433)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 破骨細胞 / メタロチオネイン |
Outline of Annual Research Achievements |
破骨細胞分化と機能において金属イオンの代謝が非常に重要である。これまでに金属イオンの鉄イオンが細胞内鉄還元酵素のSteap4や受容体のトランスフェリン受容体を介して分化と機能に重要な働きを示していることが分かった。そこで、金属イオン結合蛋白のメタロチオネイン(MT)の役割について調べた。 破骨細胞は分化に従ってMTのmRNAとタンパクの発現が上昇しており、特にMT3の発現が著しく上昇していた。そこでMT3に着目し、レンチウィルスを用いてノックダウンすると破骨細胞分化は抑制されていることをウェスタンブロットとmRNA発現、TRAP染色で認めた。それに伴い骨スライス上の培養で、骨吸収機能も低下していた。MT3ノックダウンに伴う破骨細胞分化抑制機能を調べるために、RANKLとM-CSFシグナルを調べた。M-CSFとRANKL培養で前破骨細胞に誘導し、この細胞に対してM-CSFとRANKLシグナルを調べると、AKTとERKシグナルは変化なかったが、分化と生存に重要なRANKLシグナルのJNKとNFkBシグナルが低下していた。実際にフローサイトメトリーでMT3ノックダウン細胞の細胞周期を調べると、特に細胞周期にコントロールとノックダウン細胞で差はなかった。コントロールとMT3ノックダウンの前破骨細胞に対してアポトーシスを誘導すると、MT3ノックダウン細胞に著しくアポトーシスを示すカスパーゼ3とcleaved PARPの発現が増加していることが分かった。MT3は破骨細胞の生存に重要であることが分かった。今後さらに詳細なメカニズムを解明してく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ノックダウン細胞の表現型とメカニズムを解析しているため
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Strategy for Future Research Activity |
コントロール細胞とMT3ノックダウン細胞の詳細なメカニズムをin vitroで評価し、in vivoに拡大して調べていく予定である。
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Causes of Carryover |
順調に実験が進んだため、試薬類の購入が少なかった。今後マウス購入が必要のためその際に予算を使用する予定である。
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Research Products
(10 results)