2022 Fiscal Year Research-status Report
バイオ3Dプリンタを用いて広範囲骨欠損再建法の確立を目指す研究
Project/Area Number |
22K09383
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
馬渡 大介 佐賀大学, 医学部, 病院助教 (50916913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 大紀 佐賀大学, 医学部, 助教 (00772683)
中山 功一 佐賀大学, 医学部, 教授 (50420609)
馬渡 正明 佐賀大学, 医学部, 教授 (80202357)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 骨再生 / バイオ3Dプリンタ / Scaffold free |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、間葉系幹細胞(MSCs)など、複数種類の細胞から成る細胞構造体を、バイオ3Dプリンタを用いて作製し、複数段階の分化誘導を施すことで、骨組織体を創出することである。交付申請書に記載した通り、申請者らは既に、バイオ3Dプリンタにより、複数種類の細胞を混ぜ合わせた細胞凝集塊を使用して、チューブ状構造体を作製することに成功している。しかし、構造体作製において、再現性に大きな課題があった。そこで、最適な細胞構成比率を明らかにするため、MSCsや他の細胞を様々な割合で混合した細胞凝集塊を作製した。作製した細胞凝集塊を用いて、構造体作製における再現性について検討したところ、再現性が高くなる細胞比率が明らかとなった。また、バイオ3Dプリンタの積層方法に関するパラメータについても検討を行い、最適な条件が明らかとなりつつある。 また、本研究では複数段階で分化誘導を行う事を想定しているが、各分化誘導の培地組成や誘導期間について、最適な条件を明らかにする必要がある。そこで、MSCsから作製した細胞凝集塊を用いて、様々な誘導期間で分化誘導を施し、マイクロCTによる画像評価及び、組織学的評価を行ったところ、分化誘導に適した誘導期間が明らかとなった。更に、誘導培地に添加する誘導因子の種類や濃度についても、検討を進めており、最適な条件が明らかとなりつつある。 以上の検討により、MSCsや他の細胞の最適な細胞比率、また分化誘導の期間及び培地の組成について、おおよその傾向を把握することができた。しかし、更に詳細な検討が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
従来の方法で作製した細胞構造体には、バイオ3Dプリンタでの作製において、再現性に大きな課題があり、当初は想定していなかった、細胞構成比率について再検討を行う必要があった。しかし、全体の進捗への影響は小さかった。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞構造体を作製するための最適な細胞構成比率について、細胞凝集塊を用いて、更に詳細な検討を行う予定である。また、最適な分化誘導条件について、培地組成や誘導期間を含めて詳細な検討を行う。上記条件が明らかとなれば、バイオ3Dプリンタを用いて、細胞構造体を作製し、構造体における、最適な誘導条件について検討を行う。各種パラメータが明らかとなれば、構造体の評価を行う。
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Causes of Carryover |
培地や成長因子、外注検査について残額では購入できないため、翌年度助成金と合わせて、次年度に使用する予定とした。
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