2023 Fiscal Year Research-status Report
Functional linkage of oxytocin and TRP channels in chronic pain states.
Project/Area Number |
22K09389
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
大西 英生 産業医科大学, 医学部, 非常勤医師 (20279342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 陽一 産業医科大学, 医学部, 教授 (10232745)
川崎 展 産業医科大学, 医学部, 講師 (40644860)
鈴木 仁士 産業医科大学, 医学部, 准教授 (80644880)
松浦 孝紀 産業医科大学, 医学部, 非常勤医師 (90821679)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | OXT-mRFP1 / 線維筋痛症(FM) / 背側縫線核(DR) / 抗トリプトファンヒドロキシラーゼ(TPH)抗体 / 青斑核(LC) / 抗チロシンヒドロキシラーゼ(TH)抗体 / OXT mRNA / 血漿OXT濃度 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、オキシトシン(OXT)を改変赤色蛍光タンパク(mRFP1)で標識したmRFP1トランスジェニック(Tg)ラットを用いて線維筋痛症(FM)モデルラットにおけるOXTの発現動態の評価を行った。 雄性8週齢のOXT-mRFP1 Tgラットを用いて、レセルピン(1mg/kg)を3日間連日皮下投与しFMモデル(FM群)を作成した。コントロールとしてvehicle(0.5%酢酸)を投与したコントロール群を作成した。注射終了後2、4及び22日にラットを灌流固定し、ミクロトームを用いてSON、PVN、DR、LCを含む脳切片を作成した。SON、PVNにおけるOXT-mRFP1蛍光輝度を蛍光顕微鏡で観察し評価した。前年度に注射終了後6日の蛍光輝度に有意差がなかった結果と同様にFM群のSON、PVNにおける蛍光輝度はどのタイムポイントにおいてもコントロール群と比較して有意差はなかった。 下行性疼痛抑制系の評価として、背側縫線核(DR)は抗トリプトファンヒドロキシラーゼ(TPH)抗体、青斑核(LC)は抗チロシンヒドロキシラーゼ(TH)抗体による免疫組織化学的染色(IHC)を行い、IHC陽性細胞数を計数した。注射終了後22日において、FM群のDRにおけるTPH陽性細胞数、LCにおけるTH陽性細胞数は、コントロール群と比較して有意差を認めなかった。 更に、雄性8週齢のOXT-mRFP1 Tgラットを使用し、in situ ハイブリダイゼーションを行いOXT mRNAの発現量を測定した。FM群とコントロール群を作成し、注射終了後6日でdecapitationを行った。コントロール群と比較し、FM群のOXT mRNAは、mPVNのみで有意に減少した。血漿OXT濃度に有意差は認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
OXT-mRFP1 Tg ラットにおいてFMモデルにおいても我々が報告してきた疼痛モデルと同様にOXT蛍光強度の増加を認めると考えたが、FMモデルラットにおけるOXTの発現動態は、注射終了後2、4及び22日においても蛍光輝度では有意差は認めなかった。また、OXT mRNAの発現量はmPVNで減少していた。注射終了後6日で減少していたDRにおけるTPH陽性細胞数、LCにおけるTH陽性細胞数が注射終了後22日には有意差を認めなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度(令和6年度)は、OXT-hM3Dq-mCherry Tgラットを用いてFMモデルを作成し、 CNO(クロザピンNオキシド)による生理的範囲内で増加したOXTのFMに対する疼痛閾値やうつ様行動に対する効果をvon Frey testや強制水泳テストを用いて検討する。 また、DRにおけるTPH陽性細胞数、LCにおけるTH陽性細胞数がCNO投与によって変化するか否か検討する予定である。続いて、OXT-mRFP1 Tgラットを用いてFMモデルを作成し、電気生理学的手法を用いたOXTニューロン可塑性の評価を行う予定としている。
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Causes of Carryover |
本年度は備品購入を見送り、物品購入費用が見積もりより安価であったため、予定予算の執行を次年度繰り越すこととなった。
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Research Products
(3 results)