2023 Fiscal Year Research-status Report
経静脈投与された幹細胞による椎間板変性の抑制と脊椎外応答
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22K09392
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Research Institution | National Hospital Organization Osaka-Minami Medical Center |
Principal Investigator |
森口 悠 独立行政法人国立病院機構(大阪南医療センター臨床研究部), その他部局等, 医師 (00627797)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 間葉系幹細胞 / 椎間板再生 / 静脈注射 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞治療の供給系として、脂肪・滑膜・骨髄と異なる起源の間葉系幹細胞を初代培養し細胞保存するプロトコールを検証した。異なる臓器由来体性幹細胞による増殖能や分化特性を比較し、in vivo実験で使用する細胞を脂肪由来あるいは滑膜由来間葉系幹細胞を選択することとした。ラット尾椎線維離穿刺モデルを用いて椎間板変性が誘導されることを確認し、この変性椎間板を有するラットに対して、尾静脈経由での細胞静脈注射が安定的に行われることを確認し、椎間板静脈治療の効果を検証する実験系を確立させた。また、経時的なin vivoイメージングとして尾椎単純レントゲンで椎間板高、MRIで含水率を測定し、無治療群と比較して幹細胞治療による椎間板の変性抑制効果のモニタリングを含めたプロトコールとして作成するのため、この分野で先進的技術を有するWeill CornellMedicineのDr. Roger Hartlらと研究会議を行い、in vivoイメージングとバイオメカ試験の手法について助言を得た。宿主側作用点を検索する手法の有効性確認として、Sham群で肺・腎・肝臓を採取してイメージング質量分析により網羅的代謝解析(メタボロミクス解析)を行った。静脈注射した細胞の大部分は宿主肺で捕捉されていた一方で、肺でのサーファクタントタンパク質に関する代謝が細胞注射前後で著明に変化しており、これらの再現性も確認できた。これらタンパクと骨軟骨代謝系の関連性を検討するとともに、他の臓器でのメタボローム解析を進めており、直近データとしては細胞注射により肝代謝にも変化が生じていることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度にラット椎間板変性を誘導し、静脈注射による椎間板治療モデル確立のために予備実験の追加を要したが、本年度には異なる細胞起源の注射効果の判定と宿主における臓器反応の検討とこれに基づいたin vivo実験を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
in vitro実験とともにin vivo変性椎間板治療実験を、解析・総括も含め最終年度に完了する。
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Causes of Carryover |
細胞種の選択と動物実験モデル確立に時間を要したため、動物実験進捗がやや遅れているため最終年度に動物実験とメタボローム解析を実施して3カ年で予定通りに使用する見込みである。
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