2022 Fiscal Year Research-status Report
Interplay between neuron and glia of dorsal root ganglia in neuropathic pain
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22K09419
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
榎本 光裕 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 非常勤講師 (90451971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 邦和 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, ジョイントリサーチ講座教授 (20323694)
平井 高志 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (40510350)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 神経障害性疼痛 / 後根神経節 / ニューロン / グリア |
Outline of Annual Research Achievements |
神経損傷後に起こる後根神経節(DRG)での神経細胞(ニューロン)死と衛星細胞(サテライトグリア)の関与が疼痛慢性化にどのように寄与するかをテーマに研究を実施している。今年度は、野生型マウスC57BL/6、Sox10-Venus マウスを入手し、脛骨神経と総腓骨神経を切断し腓腹神経を温存したspared nerve injury(SNI)モデルを作製した。C57BL/6マウスのSNIモデル作製後、1週、3週、6週で灌流固定し、第3(L3)、第4腰部(L4)DRGを単離し、組織学的に蛍光免疫染色を実施した。小型ペプチドニューロンに対して抗calcitonin gene-related peptide (CGRP)、非ペプチドニューロンに対して抗Isolectin B4 (IB4)抗体を用いて陽性細胞数を計測した。正常マウスDRGの陽性数を100%とした。 L3DRGのCGRP陽性割合は、損傷1週69%、3週76%、6週65%であった。L4DRGでは、1週122%、3週110%、6週109%であった。L3DRGのIB4陽性割合は、損傷1週75%、3週76%、6週70%であった。L4DRGでは、1週74%、3週78%、6週75%であった。L4DRGのCGRP陽性細胞数は損傷急性期に増加、維持しており、IB4陽性細胞はL3、L4DRGともに低下していた。 マウス坐骨神経損傷後の場合、L5DRGでCGRP陽性細胞が増加することが報告(Fukui et al. J Orthop Res 2010)されている。SNIモデルでも非ペプチドニューロンよりCGRPを伝達物質とした小型ペプチドニューロンの役割が大きいと考えられた。また、SNIモデルではL3DRGよりL4DRGでの関与が高く、L4DRGの変化を指標に解析を進めていく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子改変マウスの準備は終了している。グリア細胞が蛍光ラベルされているSox10-Venus マウスの飼育、繁殖は順調で神経障害性モデルを作製して行動解析、組織学的解析をすすめている。一方、in vitroでのコネキシン発現プロファイルの作成に関してFACSでのDRG細胞ソーティングの設定に時間を要している。Sox10-Venus マウスDRGからの細胞単離、FACSによる細胞ソーティングはできたが、回収細胞数が少なかった。細胞単離のための酵素を複数テストし、酵素反応時間の検討を行っている。また、疼痛モデルマウスの匹数を増やしてFACSソーティングを行う予定としている。現時点で細胞からのRNA抽出は可能であるが、RNA収量が低い状態である。 腰部DRGでのニューロンサブタイプの同定とSGCの局在に関しては、順調に解析が進められている。神経障害性疼痛モデルのDRGではL4DRGの関与が大きく、その中でCGRP陽性小型ニューロンの増加が明らかとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
実験に使用するSox10-Venus マウスの系統維持を動物実験施設で継続的に実施する。 前年度実施途中のコネキシン発現プロファイルの作成を行う。Sox10-Venus マウスを使用し、SNI損傷後3、6週でL4DRGを単離して患側と健側にわける。蛍光標識されたサテライトグリア細胞をソーティングする。ソーティング後にRNAを回収して健側と患側で比較することでコネキシン発現プロファイルを作成する。さらに培養技術を用いてDRGニューロンと共培養することでプロファイルの変化を健側、患側由来細胞で比較する。また、組織学的に腰部DRGでのギャップ結合発現やグルタミン酸輸送体の検索を行う。これら分子の局在を解析することで慢性疼痛環境下にあるDRGニューロン、サテライトグリアの相互作用を明らかにする予定である。SNI後の腰部DRGニューロンサブタイプの同定に関しては、ある程度成果がまとまったため学会発表を行う予定としている。
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Causes of Carryover |
実験動物の購入、飼育費用が主となっている。モデル作製や行動解析は、すでに購入した物品もあり比較的安価で実施できた。多くのサンプルを採取したが、冷凍保存しているものも多い。蛍光免疫染色に使用する抗体は高価であるが、既存製品の使用も可能であった。細胞ソーティングに時間がかかり、分子生物学試薬の消耗品が少なかった。 今年度も昨年と同様にマウスを使用した動物実験が中心となる。手術用マウスについては、年間で予備実験や予期せぬ死亡(全体の約10%程度)を含めると100匹程度必要となる。動物実験施設におけるマウス購入および飼育費用が必要である。遺伝子発現など分子生物学的解析には試薬が必要であり、適宜購入が必要である。組織染色には、ニューロン、グリア、各種受容体に特異的に反応する抗体が解析に必要であり、同部位を可視化するには蛍光標識付きの二次抗体が必要である。FACSソーティング、細胞培養に伴う培養液、ヒペットなどの消耗品の購入が必要である。昨年度まとめたデータについては積極的に学会発表を行い、研究成果をまとめる。
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Research Products
(4 results)