2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K09433
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
八木 満 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (40338091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小牧 裕司 公益財団法人実験動物中央研究所, ライブイメージングセンター, 室長 (10548499)
中村 雅也 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (30217898)
関 布美子 公益財団法人実験動物中央研究所, ライブイメージングセンター, 主任 (40771407)
宮本 健史 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (70383768)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | MRI / 脳脊髄 / 脳脊髄液 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳脊髄液(CSF)動態の異常は、水頭症や脊柱側彎症など様々な疾患を引き起こすが、その基本的なメカニズムは未だに解明されていない。小型動物におけるCSF動態の研究方法は、分子生物学的解析の困難さや評価システムの欠如のために確立されていない。本研究では、正常型ウィルスター(WT)マウス10匹と後縦靭帯骨化症(OPLL)のマウスモデルであるTiptoe walking Yoshimura (twy/twy [TWY])マウス20匹を対象にTime-SLIP技術を行った。Stir Distanceは、第4脳室内の矢状面における1回の時間内でのCSF攪拌距離を定義した。30匹のマウスのStir Distanceを3人の検査者により独立して3回測定し、平均±標準偏差(SD)を計算した。さらに、TWYマウス10匹において、Stir DistanceとCanal Stenosis Ratio(CSR)の相関係数を計算した。野生型マウスのStir Distanceは、評価者A、B、およびCの場合、それぞれ12週齢で1.80±0.13、1.76±0.12、および1.69±0.20mm、17週齢で1.57±0.12、1.56±0.09、および1.68±0.09mmでした。TWYマウスのStir Distanceは、評価者A、B、およびCの場合、それぞれ12週齢で1.18±0.17、1.18±0.13、および1.20±0.16mm、17週齢で1.18±0.23、1.17±0.22、および1.18±0.33mmでした。Stir Distanceは、12週齢と17週齢のTWYマウスで有意に低値だった。3人の評価者の内観者信頼性は優れており、評価者A、B、およびCの平均測定値はそれぞれ0.966、0.990、および0.990でした。ステア距離とCSRの相関係数は、評価者A、B、およびCの場合、それぞれ-0.80、-0.84、および-0.83だった。TWYマウスにおいてステア距離とCSRの間に強い負の相関を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動物の交配、機能解析を予定通り施行し、現在得られた知見の再現性を確認中である。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は2022年度の知見の再現性の確認及び中枢神経系に特異的なptk-7遺伝子欠損マウス及びCAGを用いた組織非特異的ptk-7遺伝子欠損マウスを用いて成熟期にPTK-7を欠損させ, Time-SLIP法を用いた脳脊髄液の動態の解析を行う. また,脳脊髄液の動態の異常の分子生物学的検討としてゼブラフィッシュで報告されている脳脊髄液の動態異常の機械受容体であるCSF-contacting neuronを介したPkd2/1カルシウムチャネルのシグナル伝達の解析を行う.
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Causes of Carryover |
動物実験の際のマウスの交配(コンディショナルノックアウトマウス)が順調であり、動物飼育に関わる経費が削減できた為に持ち越しが僅かに生じています。また、予定していた国際学会がweb開催となったために渡航費が発生しなかったため、余剰が生じました。余剰額はわずかですが、来年度のマウスの飼育に使用いたします。
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