2023 Fiscal Year Research-status Report
副腎癌に対する抗サバイビン光抗体療法と重粒子線免疫療法の基礎的研究
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22K09441
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小池 秀和 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (90420091)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 副腎癌 / サバイビン / ミトタン |
Outline of Annual Research Achievements |
<標準的抗腫瘍剤に耐性な副腎癌細胞の作製> まず安定した細胞培養の確立が必須であったが、培養開始初期は予想外に培養、継代ができなかった。最近ようやく継代できるようになったが、ミトタンの耐性獲得はさらに難しいため、より低濃度のミトタンの存在下から培養を開始し、今までより小間隔で濃度を高め、耐性を獲得した副腎癌細胞を樹立する事をすすめていた。
<ミトタン耐性副腎癌細胞の、survivin抑制による効果の検討> 樹立したミトタン耐性副腎癌細胞において、survivinの発現、survivin抑制による抗腫瘍効果を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ヒト副腎癌細胞の培養、および、ミトタン耐性ヒト副腎癌細胞の作成に難渋していたため。
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Strategy for Future Research Activity |
耐性を獲得した副腎癌細胞にて、 ① 抗Survivin抗体+フリーラジカルと近赤外線を利用した光抗体療法の確率をまず細胞実験ですすめる。作成したミトタン耐性ヒト副腎癌細胞を、IR700-Survivin 10μg/mlの濃度で1時間培養し、細胞に複合体を結合させる。その後、オーダーメードの近赤外線発生装置から照射を2Jから開始するが、近赤外線の照射自体は無害であることから、16~24J程度まで量を増やして、MTSアッセイ、蛍光顕微鏡にて細胞増殖抑制効果の評価を、またSurvivin他関連する遺伝子のmRNA、タンパク定量、アポトーシス割合等を検討する。 ② 細胞実験にて、重粒子線照射による耐性副腎癌細胞からのHMGB1の培養液中の放出量をX線と比較する。また、培養液中に放出されたSurvivin抗原量の差異を測定する。次に動物実験で追究する。具体的には、C57BL/6マウスにマウス副腎癌細胞を皮下移植したモデルを用いて、照射範囲外の腫瘍に対するアブスコパル効果を検討する。効果判定には、照射外の腫瘍サイズ、血中HMGB1濃度、脾細胞INF-γ濃度、Survivin抗原量、マウス生存率を用いる。 ③ 最後に、抗Survivin治療(光抗体療法)と重粒子線治療との併用効果の検討する。
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Causes of Carryover |
ヒト副腎癌細胞の培養継代、およびミトタン耐性ヒト副腎癌細胞の樹立に時間を要し、計画していた抗Survivin抗体+フリーラジカルと近赤外線を利用した光抗体療法の開発、重粒子線照射によるアブスコパル効果による抗腫瘍免疫の検討が始めらず、次年度に予算を持ち越す必要がでた。
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